第942回 ケイズ・パッションの松嶋フェア 2
- Tweet
- 2006年4月4日(火)
ディナーコースの設定価格は意外にも安い。
12500円と16500円の2コースでありました。
ウリである牛肉のミルフィーユ(山葵ソース)は、
安いコースに設定されていましたから、
初めての客はどちらにするか難しい選択になります。
友里は色々考えるのは面倒くさいので、
両方食べる手段をとりました。
アミューズは同じ。
プチトマトのキャラメル包みは、
お祭りの屋台の「リンゴ飴」を思い出しました。
鱈のフリット、生ハムとモッツアレラ、人参スープと
たいしたものではありません。
山葵が得意なのか、
鰯のマリネ、醤油とレモンに山葵ソースの一品は、
山葵がヘタッていたようで緩すぎ。
その他、烏賊のサラダなども
「こんなものかな」といった期待はずれの料理。
アマダイ、オマール、ヒラメと
場所柄「魚料理」が得意だと思っていたのですが、
今思い出そうにもなにせ印象が薄かったからか、
はっきり思い出しません。
200分かけた仔牛のローストもスペシャリテのようで、
それなりには美味しかったですが、
ローストビーフとの大きな違いを見出せませんでした。
山葵入り牛肉のミルフィーユは、
しっかり山葵の風味が聞いていて面白かったですが、
わざわざニースで食べる食材と調理なのか、若干疑問が残りました。
現地のニースという環境、
つまり立地の妙で食後感はかなり変わると思うのですが、
全体にいえることは最近の流行の
「どちらかというと軽めの味わい」。
喧騒な東京のど真ん中、しかも高層ではない7階で食べるにしては、
あまり有り難味がでなかったというのが、
正直な友里の感想であります。
ワインは松嶋シェフの問題ではないのでしょうが、
値付けは高く、ラインナップはまったくのプア。
グラスシャンパーニュも、
記念と称して「ドンペリ」を薦めてきましたが、
無茶苦茶高く頼むべきものではなかった。
仕入れが軽く1万円を割るということを
世間に知られているということに気づいていないんでしょうね、
フォーシーズンズは。
各料理にグラス1杯づつでる「ワインデギュスタシオン」が9500円。
ヴァン ド ペイやパプの白、ラフォンのマコンなど
実態価格を知っていると、
最後にテナールのグランゼシェゾーがでても、
CP悪いとしか感じませんでした。
結論として、ニースに行くついでがあれば訪れるかもしれませんが、
その他の場合なら訪問したいと思えない料理。
でも、これってずばり星一つの定義でしたっけ。
2つ星取得は、料理を再構築しないと、
いくら店の設備を改善しても、難しいんではないでしょうか。