第93回 こんなに沢山輸入できるのか、イベリコ豚

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  • 2003年8月19日(火)
ブランドポークが流行っています。
昔は鹿児島、宮崎の「黒豚」くらいだったのが、
いつの間にか「寿豚」、「白金豚」、「東京エックス」だ、
なんだと、いちいちメニュに銘柄を載せる
ブランド物が増え続けています。
銘柄がつかない物は、
ちょっと頼みたくない情勢になってきています。

そして、4つ足物もイタリア、スペインからは
輸入できるのでしょう。
昨年は一時期、幻の豚として
イタリアからの「チンタネーゼ」なる豚が話題になっていました。
どこが本当にうまいのか、何回も検証する前に
本当に「幻」だったようで、輸入量が少なかったのでしょうか、
いつの間にか消え去りました。
それに変わって台頭してきたのが、
スペインの「イベリコ豚」です。

今年になってから、スペイン料理屋にとどまらず、
フレンチ、イタリアンとどんどん進出して来ました。
売りは、出荷する前に
かなりの量の「どんぐり」を食べさせるということ。
どんぐりを食べたら、肉がその風味を持つのでしょうか。
今は幻というか輸入禁止になっています
フランス産の「アニョード プレ サレ」。
やはり、海岸地帯で潮風にさらされた草を食べている仔羊は、
潮の風味がするということで珍重されています。
昔習った生物の授業では、細胞の浸透膜の原理かなにかで、
濃度の薄い方から濃い方へ通過すると
習ったことを記憶しています。
ナメクジに塩をかけたら、水分が外へでてしまう原理です。
理論的には、
肉の細胞内には潮気は入らないと発言するのは野暮でしょうか。

難しいことは別にして、
この「イベリコ豚」の攻勢には驚かされます。
ある程度のレベルの店、豚を扱っている店では
最近はお約束の食材です。
一時はやった、「関さば」、「関あじ」、
一昔前ならば街中の居酒屋にも常備されてしまった
日本酒の「久保田」のようなものです。
こんな大量な消費に耐えられる
生産高、輸入量があるのでしょうか。
そして、それに見合う「どんぐり」があるのでしょうか。

全国で売られている
魚沼産「コシヒカリ」というものを合計すると、
はるかに魚沼産の生産量をオーバーすると聞いたことがあります。
「イベリコ豚」がそうではないことを祈るばかりです。