第92回 初訪問、パ マル

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  • 2003年8月18日(月)
<事前情報>
1.「アピシウス」を辞めてから出した神田店とは違って、
  かなり高額路線をとっているフレンチ
2.ガラス張りで、外から丸見えで落ち着かないのではないか
3.昼も夜も、シェフは店内で頑張っているようだ
4.土日は満席だが、平日は飛び込みでオッケー
5.カジュアルな造りなのに、子供は高学年にならないと入店不可

感想・その他

立地
六本木ヒルズのけやき坂通りの2F。「みかわ 六本木店」の隣。
ペットショップからは対角になる位置と、一番離れているので、
匂いその他の影響が一番少ないようです。

外観・内装
ガラス張りで外から丸見え。半透明のブラインドをかけているが、
それでも窓際では
直ぐ目の前を通行人が歩いているので、落ち着きません。
内装はカジュアル。
カウンター席が若干あるが使っていないようです。
中央に、合コンテーブルかと思われるような、
12人掛けの長テーブルがあります。
団体用ではなく相席で個別カップルを座らせています。
ホールのスペースの割に、
収容力のある効率の良いテーブル配置ですが、
ここへ座らせられてはますます落ち着かないことになるでしょう。
「キノシタ」並みの価格ではない、
立派な料金を請求する店なのですから。
イマイチブレイクしていないのは、
価格と外観・内装のミスマッチも要因の一つと考えられます。
今回は余裕を持った予約でしたので、
合コンテーブルではなかったのが幸いでした。

サービス
ドアに近づいたら、シェフが駆けつけてきて開けてくれました。
ガラス張り・丸見えの利点がここに生きていました。
厨房はシェフ以外に5人、
ホールは3人でシェフの奥さんらしき人がレジにいました。
ソムリエバッジをつけたスタッフが担当でしたが、
結構不満が残りました。
無愛想なのは、経験とか個人的な性格の問題なので
致し方ないとしても、料理などの説明も面倒くさいのか
おざなりで、本当に客にわかってもらいたい、といった
熱意をまったく感じません。
グラスワインの場合は、
せめてワイン名か品種を説明するのが普通ですが、
何も告げず注いでいきました。しかもかなり冷やし目で。
当日の抜栓ではなかったのでしょう。

料理
非常に強気の価格設定です。コースは8千円と1万円。
単品は、前菜が3~4千円、魚が4千円前後、
肉が4~5千円です。
この店構え、合コンテーブルにしては考えられません。
グランメゾンよりやや安いくらいの値付けです。
かなり、高い地代が含まれているのでしょうか。
アラカルトは各4~5種です。
特に肉系は、食材的には牛、鳩、リードヴォーなど
あまり選択肢がありません。
いまどきでは珍しく、スープが1200円であったのは有難いですね。
フォアグラのキャベツ包みを食べて、
あらためてこの食材はソテーにした方が
自分の好みだと確認しました。
ネーミングが変わっていた
「贅沢な家庭料理」なるものを頼んだのですが、
なんのことはない、ポトフでした。
ジャガイモ、ニンジン、キャベツ、ソーセージなどが入った、
確かにこれに4300円も払うのは「贅沢」というものです。
CPが悪い。家庭で作るポトフよりはおいしいですけどね。
チーズは1500円。
そこそこの種類でしたが、コンセプトを考えたら、
チーズを食べるような店ではないでしょう。

ワイン
アピシウスと同じく、ビールを置いていません。
ビールだけで食べられることを避けたいのでしょう。
ノンヴィンテージのシャンパーニュが7~8千円でしたから、
普通の値付けです。
スティルワインは、白、赤とも小売の2倍はしていないようです。
見せワインとしてのシュヴァル ブランとラトゥールには
価格が書いてありませんでした。
1万円以下のワインで抑えたいラインナップでしたが、
店の在庫は、フォルスターのワイン冷蔵庫1台だけのようなので、
150本といったところでしょう。
若いソムリエは、テースティングのあと、
ホストにワインを注ぎ忘れました。まだ慣れてはいないようです。

その他
適度なワインを頼んで、一人1万5千円以上かかりました。
パンはどこから購入しているのかわかりませんが、
イマイチなもの。
サービス料はないようですが、
既に価格にオンされていると考えた方がいいですね。

<結論>
1.料理、サービス、雰囲気の割に高く感じる。CPは悪い。
2.この価格なら、他のフレンチへ行くことを勧めます。
3.料理は可もなく不可もなくといった感じ。
  アピシウスとそんなに価格が変わらないのですが、
  シェフが居た時の料理ってこんなものだったかなー。
4.平日は入店しやすいので、映画を見た後、
  または見る前に使うことは出来る店です。