第893回 いつの間にか店情報を開示してきた、ウメモト 1

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  • 2006年2月14日(火)
昨年は若手のシェフの中華を流行らしたかったのでしょうか。
犬養裕美子氏、大谷浩己氏など
似非グルメ界の大御所?がこぞって中華を宣伝し始めてきました。
目立つ人ではないですが、
梅谷昇氏もかなり中華に突っ込んでいます。

そんななかで、西麻布2丁目、富士フィルム近くの
「メゾン ド ウメモト上海」も
彼らの後押しよろしくかなり露出していました。
しかし、当初は誌面に写真付で紹介されているのに、
店名以外の店データを不掲載にして神秘性をもたせておりました。
しかし
「上海で育った富裕な料理人の店で修業した若干25歳のシェフ」
というキーワードで、
私は直ぐに新宿御苑の「シェフス」にたどり着いたのです。
自分から、「富裕な階級出」だと自慢するような
傲岸不遜な料理人は、勘違い人間が多いとはいえ、
そうはいないからです。

自ら富裕層に育ったという
謙虚さのかけらもない師匠の下でわずか数年の修業、
店データ出し惜しみの狡猾な営業戦略は師匠譲りの戦略です。
雑誌では紹介制とのことでしたが、
一見でも予約可能なのか方針がはっきりしません。
場所はなんとか探し当てたのですが、
店先に看板がでていて、店名と共に
メニューや電話番号まで書かれているではありませんか。
しかも二人からですが、かなり安いコースも設定してきています。
最近は、雑誌によっては店データを公開しはじめましたから、
当初の神秘性を満たせた営業戦略の方針を転換してきたようです。

私はとりあえず、師匠から紹介してもらおうと、
ある筋を通して打診してもらいました。
しかしマダムから帰ってきた言葉は、
「よく知らないので紹介できない」
えっ、最近まで「シェフス」で料理を造っていたのは
この梅本氏だったはず。
ここに、独立に際して、
師匠と梅本氏の間で
何らかのトラブルが発生した可能性を感じ取ったのです。
円満退社ではない。
2千のレシピを持つと自称する自分から、
千のレシピをわずかな期間で奪って去った、
と師匠は感じているのかもしれません。