第877回 ワインの諸々 88やっぱり最近のボルドーの造りは変だ

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  • 2006年1月29日(日)
最近、運良くつづけて
若いヴィンテージ違いのラトゥールを
一度に飲み比べる機会に遭遇しました。
ボルドー1級など最近は高騰してしまって、
店で頼めないのは勿論のこと、
家でも開ける機会は激減していただけに、
97年、98年と若いものでしたが楽しみでありました。
私はボルドーの1級や2級など高額ワインでは、
若すぎるヴィンテージを飲むのはもったいないと考える性質なので、
デイリーのため、「カクヤス」などで買う
ボルドーシャトーのセカンド・サードライン以外では、
滅多に90年代のワインなど飲みません。
おそらく、ラトゥールのこんな若いワインは初めてでしょう。

感想は飲んだ瞬間、「もう飲めるじゃん」。
ラトゥールはわずか7~8年で
こんなに緩いというかこなれてしまうのか。
瓶差、保管差かと思いましたが、97年も98年も同じようなもの。
というか、香り、味わいで
両ヴィンテージとも際立った違いを感じないのです。
80年代までのボルドーは、「ル パン」など新興のワインを除いて、
若すぎてはタンニンがきつくて飲める代物ではなかったはず。
ところが、最近のボルドーは
濃い1級でさえ早い時期に飲めてしまい、
またあまりヴィンテージの違いを感じなくなってしまったようです。
再三述べているように、
造りが時代とともに変わって早飲みがトレンドになっているようで、
そろそろ私も
この事象を受け入れなければならない時がきたようです。
そういえば、20世紀のなかで
3本の指に入ると言われたヴィンテージのオーブリオンを
瓶詰めまえの樽から試飲したことがありますが、
ジューシーで飲みやすかったことを思い出しました。
でも、最近のワインは、
ボルドーにしてもブルゴーニュしても色などは濃いですが、
本当の深みのある味はしないと感じるのは、
私が古い抵抗勢力なのでしょうか。
なかなか持論を翻す事が出来ない友里であります。