第865回 友里が選んだ2005年オープンこの10店

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  • 2006年1月17日(火)
以前のコラムで挙げた「昨年前半の10店」とダブる店があります。
また、
すべてお勧めの店としないところが友里流なのでご了解下さい。
まずは珍しく「行っていい店」から。

[行っていい店]

ピエール・ガニエール ア トーキョー

昨年9月の全日空ホテルのフェアとはまったく違う料理構成。
コースよりアラカルトがお勧めです。
前菜、メインとも1万円以上と高額で、
副食材が各々5皿ほど別にでてくる「変形多皿料理」なれど、
すべての皿が完成度高くどれも美味しい。
厨房スタッフのレベルがかなり高いと読みました。
この店を知ったら、「ベージュ」へはもう行けません。


鮨 水谷

新店の鮨屋さんではまずここでしょう。
あらためて書く必要はないほど世間でも認められていますね。


銀座 芝蘭

単品メニューが豊富であり、
その反面コースも5千円くらいからで悪くありません。
飲み放題システムもあり、宴会用の店にみえますが、
料理のレベルは低くない。
チマチマ料理をコースで1種しか出さない店が
四川料理のはずがありません。
「直城」には、もう一回本場四川へ行かなくていいですから、
この店で勉強してもらいたい。


[一回くらいならしょうがないか]

イル ギオットーネ マルノウチ

純粋なイタリアンではありません。
創作イタリアンというより、
パスタも出すイタリア風洋食といったところでしょうか。
イタリアの地方料理を食べなれ、好まれている方には
まったく物足りないでしょうが、わかりやすい味なので、
どなたでもある程度の満足は得られると思います。


アロマフレスカ&カーサ ヴィニタリア

世間の人気ほど凄く美味しい店だとはまったく思えません。
キャパを極端に押さえ、予約がとりにくくしたシステムが、
客の飢餓感を煽って人気店になり、
やっと訪問できるというだけで
満足してしまっていると分析しました。
予約がとりやすい「アロマクラシコ」と料理構成は変わりますが、
レベルは変わらないというか、
私はドンと肉を食べられる「アロマクラシコ」のほうが満足します。
何ヶ月も待ってわざわざ行く店とはとても思えません。
皆さん、冷静になってください。

ラ ソース 古賀

フレンチの裏メニューだけをひっさげての銀座進出は
失敗だったようです。
カレーはキャパを抑えて千円以下にしないと難しいでしょう。
ワインを飲みながら長居する料理ではありません。
メインの各料理(カレー、ブイヤベースなど4種)は
それ自体悪くはありませんが、いかんせんコンセプトを間違えた。
裏方が表にしゃしゃり出てきてうまくいった験しがないのは、
歴史が証明しています。


[お勧めできない店]

ゴードン ラムゼイ

もう話題にも上らなくなったようです。
コースは安い(1万円前後)ので、
三ツ星関連店として話の種に行く人がいるかもしれませんが、
料理は普通、かといって借景はよくない、
と変なシェフズテーブルしか特徴のない店です。
でも未だ、流通価格が50~60万円の89年のロマコンを、
225万円でリストに載せるという暴挙を続けているのでしょうか。


チャイニーズレストラン 直城

今さら細かくいうまでもありません。
フード・レストランジャーナリストたちと親密になるよりも、
客のことをもっと考えるべきでしょう。
もう、ネットのレビュー潰しの趣味は辞めたのでしょうね。


メゾン ド ウメモト

ここを勧める業界人が多いことからも、
「味」のレベルがわかるでしょう。
「味」のわかる業界人なんて滅多に居ません。
食材の産地や質だけで食後感を満たすことはできません。
「能書き」に惑わされず、心落着けて食べてみれば
この店のレベルがわかります。
そして単品は量の割にあまりに少なすぎ。
結果、かなり高くつく店でもあります。
私はあまり好きではないですが、
修行元の「シェフス」の方がずっとおいしいとの話を良く聞きます。


古拙

銀座に出てこず、修善寺に専念していれば良かったのに。
水に拘って地方へ行ったのに、なぜ銀座で蕎麦も出すのか。
和食屋としてのレベルは低い方です。


最後に1店特別出演
[絶対行かないほうがいい店]

大田原牛超

オス牛疑惑が払拭されません。
というか、
自身のHPにオス牛の登録証明書を載せてしまっているのですから、
どうしようもないですね。
味のわからない業界人を使って宣伝し、
無茶苦茶高い値付けにして話題にしただけの店。
フライパンで焼いたような脂ギトギトな肉厚の薄いステーキなんて、
おいしいはずがありません。
味のわからない芸能人、業界人、ライターたちの言葉を信じて、
大切なお金を無駄に使う事はありません。