第86回 鮨屋のショーケースは絶滅するか

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  • 2003年8月12日(火)
マスコミで評価の高い比較的高めの鮨屋へ行ってみると
ある共通点があるようです。
誰が言ったか知りませんが、
日本一の鮨屋と言われる「すきやばし 次郎」を筆頭に
新進気鋭の「さわ田」まで
有名店では「ショーケース」を見かけなくなりました。

街場の古くからのお店ではまだまだあるようですが、
最近独立した若い主人の店では、見当たりません。
みな、ネタ箱に変わってきているようです。

ネタ毎に、管理する温度が違うという説があります。
つまり、白身、赤身、色物、ひかり物、貝類など
それぞれ違う温度なので、ショーケースにいれて
一様な温度にしてしまっては駄目だというのです。

ネタ箱でわけて冷蔵庫の位置を変えることによって、
最適な温度で保管する事を狙っているようですが、
本当にそんなにシビアなものなのでしょうか。
つけ場での主人の行動をよくチェックしてみてください。
ネタ箱は、結構重ねて
出しっぱなしにしている所を見かけませんか。
ネタ箱からサクを取り出して包丁を入れている間、
そのネタ箱に同居している他のサクは、
室温にさらされっぱなしです。
何段にも箱を重ねて、室温に晒しているのも良く目にします。

新鮮なネタは、室温で常時晒されていても大丈夫のようですが、
とても、ネタ毎に温度管理を徹底しているとは思えません。

でも、ショーケースなしの鮨屋の方が、
街場の店よりおいしそうに感じるのは私だけでしょうか。
マスコミその他のスリコミの影響もあるでしょう。
これから出来る店、リニューアルする店は、
ネタ箱保管をとってくると思いますから、
そのうち鮨屋からショーケースは絶滅してしまうかもしれません。