第85回 初訪問、日本料理 小山

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  • 2003年8月11日(月)
<事前情報>
1.出店ラッシュの「青柳」チェーンの中で、旗艦店の位置づけ。
2.価格設定は高い。お任せコースのみで、最低3万円。
3.予約が簡単に入る。

<感想・その他>
立地条件
六本木ヒルズのけやき坂通りの2階。
道に面してはなく、「ルショコラ ドゥ アッシュ」の脇を入る。
ちょっとわかりにくい場所で、ヒルズの中では人の流れは悪い。
飛び込みの期待は出来ません。

外観、内装
入り口に男性が二人ほど客待ちしています。なんとも異様な感じ。
ホールはシックな造りです。満席で30名くらいのキャパの他、
個室が2部屋あるようです。
客の入りは相当悪いようです。
この日もホールには数組しか入っていません。
こんなんで高い地代を払ってやっていけるのでしょうか。
このホールからの借景も寂しいもの。
ほとんど灯りのついていない森ビルのマンションが
目の前にそびえ立ちます。
ゴーストタウン化しているのでしょうか。

料理
3万円、3万5千円、4万円の他、予算に合わせて
いくらでも対応するというスタンスのようです。
5万も6万もかける客が存在するのでしょうか。
そんな高額に値する和の食材も存在するとは思えません。
デザート3皿をいれて、料理は全部で13~14皿。
非常に多皿です。当然、何を食べたか覚えきれないのですが、
帰り際にはリストを渡してくれました。

やはりここのウリは、瀬戸内の「鳴門鯛」でしょう。
骨に瘤みたいなのが本当にあるのか見ていませんが、
結構厚めに包丁を入れていまして、
噛み応えというか食感は悪くありません。
造りに関しては、「青柳」よりだいぶ食材はいいようです。
値段も違いますが。
他に有名な「ぼうぜ」(エボダイ)を締めた握りは
凡庸に感じましたが、丸ごと食べられる鮎はなかなか。
揚げているかのような焼き方に特徴がありますが、
なかなかのもの。
お椀、焚き合せなど出汁系は、
「青柳」同様凄みを感じないもので、
締めの玉子丼は、スッポンが入っているというわりに
甘すぎで、イマイチ。
スッポンの味を感じず、3万円での玉子丼には疑問を感じました。

ワイン
ワインは高いの一言。
ノンヴィンテージのシャンパーニュで1万円ですから
仕入れの3倍以上はしているでしょう。
高いワインでも小売の倍以上で頼みにくく、
さりとて日本酒も最低で1合1千円。
菊姫など1合3千円近辺の値付けにはただただ唖然です。

3万円のコースで、一番安い日本酒を飲んで一人4万円。
高い徳島料理でした。

<結論>
最低で一人4万円です。
虎ノ門店より良い食材で、
創意工夫した料理になっているようですが、
いかんせん自腹ではもう行けない店。
接待されて、価格を知らずに食べるのなら
そこそこおいしく感じると思います。
CPを云々いうレベルを超越した店です。
客が少ないのは仕方ないでしょう。
今でこの客の入りですから、
同じ価格体系でいつまで頑張れるか、見ものです。