第816回 天一の3倍の価値がある訳がない、天一山 1

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  • 2005年11月15日(火)
「美食の王様」の著者、来栖けい氏。
25歳という若さと華奢な体躯ながらの大食漢、
友里のスタイルとは対極な「ベタ褒め」姿勢で
一時期かなりのマスコミに取り上げられました。
店の「ブランド」や料理人の「能書き」に弱く、
信じて疑わないスタンスは、私と違って育ちがよいからでしょうか。
それとも、若さゆえの社会経験の不足からでしょうか。

その彼が一押しの天麩羅屋が、
銀座の天一本店の2階、「天一山」です。
しかしこの店の存在を何人の人が知っていたでしょうか。
少なくとも、私を含めて周りでは誰も知りませんでした。
そもそも、「天一本店」自体が、
外人などの接待では利用されるかもしれませんが、
食通に評価されているとは思えません。
そんな天麩羅屋のプレステージとはいえ、
果たして価格に見合うだけの素晴らしいものなのか。
予約が入った時しか店をあけないシステム。
夜は4万8千円と
高額天麩羅屋の3倍以上の値付けにまず驚きました。
私の疑問点は一つ。
天一自体がたいした店ではないのに、天一山がなぜ傑出するのか。
天一山専属の揚げ職人を養成し、
客単価5万円に相当するだけの
天一山だけの仕入れルートを開拓しないとありえないことですが、
不定期の開店ですから、このようなことはありえません。
私はこの謎を解明の為、仲間と今春突入したのです。

予約15分前だというのに、
「天一」脇の階段前には男性スタッフ2名が待機。
荷物を持ってもらい2階へ案内されます。
そんなことしなくても、
価格に合った
おいしい天麩羅を出してくれればいいだけのことですけど。
店内では、この夜は我々1組の予約なのに
女将をいれて女性が3人スタンバイしています。
都度雇っているのか、普段は天一で働いているのか知りませんが、
男性スタッフと共に固定費の無駄が感じられます。
ここを訪れる自腹客は皆無ではないでしょうか。

<明日につづく>