第782回 間人蟹といえども食べ飽きてしまう、とト屋 2

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  • 2005年10月12日(水)
午後4時頃、夜に調理する蟹を生きたまま部屋へ持ってきます。
間人蟹の証である
グリーンのタグが着いているのを確認するのですが、
このパフォーマンスが終わらないとおちおち温泉へ行けず、
よって風呂場が一気に集中して混みあうのが難点です。

丹後半島の田舎の宿ですから、
先付けや造り、お椀への期待は酷というもの。
あくまで蟹だけに注目です。
蟹刺しは鮮度を認めるものの、
松葉蟹の旨みを感じる食べ方ではありません。
これは必要ないか。
割愛して価格を下げることを提案します。
客が自ら炭火で焼く蟹は、
鮮度がよくて身を取りにくいのですが、
茹で蟹も含めて旨み、甘みとも充分。
甲羅も丸々3つで蟹味噌も充分堪能できます。
地の野菜や蒟蒻を使った蟹すきは、
さっと湯に通す蟹シャブスタイルです。
この辺からお腹も張って蟹に飽きが来てしまい、
〆の蟹ミソ雑炊もその濃厚さは認めるものの、
ゆっくり味わう余裕は残っておりませんでした。
私でさえかなりの満腹感、しかも全編蟹主体ですから
これで飽きないほどの蟹好きの客の顔を見てみたいものです。

食べ終わると部屋だけではなく
体にまで蟹の匂いが染み付いてしまった感覚。
すぐ風呂に入り直したのですが、
この旅館、泊まらず食事だけでもいいそうですが、
この蟹の波状攻撃に食後の風呂は必須です。
でも何度入浴しても、部屋中、
いや旅館中に蟹の匂いが染み付いていますから逃れられません。

<結論>
京都から直通の丹後鉄道は一日に数本しかなく、かなり不便。
支払いも奉仕料を含めるとかなりの額になり、
朝食を含め普通の料理には期待できません。
都内からなら片道5時間以上、旅費もかなりの額になり、
よほどの蟹好きの方以外は、せいぜい話のタネに一回で充分です。