第781回 間人蟹といえども食べ飽きてしまう、とト屋 1

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  • 2005年10月11日(火)
松葉蟹は特に新鮮さが命であり、
流通の発達した現在でも、
現地に近い京都で食べる蟹に東京の店は敵わないと言われています。
それならば、いっそ水揚げされる港近くまで出かけていったら
最高の蟹が食べられるのではないかと私は考えました。
選んだ店は、「そうだ!京都を食べに行こう」の著者、
麻生玲央氏に教えてもらった「うまし宿 とト屋」です。
松葉蟹の中でも最高と言われている間人蟹(たいざかに)があがる
間人港近くにある温泉宿屋であります。

HPもあり、TVでも紹介されていた、
この時期全国から蟹好きがやってくるという有名店。
なぜ間人の蟹が希少で高額なのか、
受け売りですが説明させていただくと、
漁場は他の港の船と同じなのですが、
(やはり漁場は違うと言う説もあります)
船が小さくて日帰りしかできない。
(正確には夜出て午前に帰港する)
よって超新鮮な蟹が
その日のうちに競にかけられて店へ出荷されるからのようです。
しかもこの港の船は現在5隻しかないということ。
他の港の船は、大型なので海上で数泊するため
新鮮な蟹が水揚げされないようです。

「うまし宿 とト屋」は京都駅から
特急タンゴディスカバリー号に乗ったとしても約2時間半、
そして最寄り駅の網野から送迎バスで15分はかかる
足の便の悪い立地にあります。
全室10部屋、エレベーターのない3階建ての小さな旅館。
入った瞬間、蟹の匂いが館内に充満しているのが気になります。
部屋代込みのコースは3つ。
先付け、刺身、蟹刺、茹で蟹、焼蟹、蟹すき、蟹ミソ雑炊の
内容は同じで二人単位で蟹は3杯、
「間人蟹」尽くしで4~5万円、
他の港で上がる「地蟹」で3万円前後、
冷凍物なのでしょうか、
「一般的なズワイガニ」で2万円前後となっております。
しかし、京都から3時間近く、
東京からなら優に5時間はかかる長旅でやっと辿りついたならば、
ここは奮発して「間人蟹」を頼むしかありません。

<明日に続く>