第78回 初訪問、リストランテ キオラ

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  • 2003年8月4日(月)
<事前情報>
1.「イゾラ」チェーンを多店舗展開する「グラナダ」の経営。
2.「エノテカ キオラ」と
  掛け持ちであるシェフは、雇われです。
3、高そうな印象を受けるが、夜は6500円からのコースがある。

<感想・その他>

立地
麻布十番からはかなり離れています。
鮨の「まつ勘」や「かどわき」を越え、
どちらかというと二の橋に近い。
人の流れを期待できず、立地的には恵まれていません。

外観・内装
カフェかブティックを思わせる全面ガラス張り。
角地に小奇麗にまとめてあるのですが、
外からも中からもガラス越しに丸見えで、落ち着きません。
テーブルに座った目線からの借景がイマイチです。
コンビニが道を隔てて隣にあり、その電気看板と
時節柄か短パン、Tシャツの買い物客の出入りが丸見え。
道路には、近くの飲食店の従業員が乗ってきたであろう、
ミニバイクが多数停めてあり、
向かいのマンションの自転車置き場も目に入ります。
「ル ブルギニオン」や「モナリザ」の借景が興醒めすると
以前述べましたが、それが可愛く感じるほど、
この店の借景は最悪です。
ここを訪れる場合は、1階ではなく、
地下のホールを予約することをお勧めします。

料理
プリフィクスのコースが大きく分けて2種。
6500円と8000円(いずれもドルチェをいれて5皿)は食材、
調理法がちがう料理からの選択です。
後者のコースは7皿に増やすと11000円に跳ね上がります。
かなり高い設定です。
今回は立地のイメージにあわせて、6500円にしました。
前菜、パスタとちょっと量が少ないのが気になりましたが、
ハーヴとかスパイス系が微妙に利いていて、
なかなか侮れない味わいです。
ラグー系のパスタもしっかりした主張のもので、
メインのポークも火加減を含め満足するものでした。
シェフは厨房に不在であったように見受けられましたが、
スタッフの技量に相違がないのでしょうか。

サービス・ワイン
段取りが悪いです。
コペルトを請求するのに、パンが今焼いている最中だとかで、
なかなか追加が出てきませんでした。
客の入りが悪いのに、食材で品切れがあったのは、
プリフィクスの選択料理の種類を
多く設定し過ぎているからでしょう。
見栄をはらずもう少し絞るべきだと思います。
ワインは値付けが思ったより高くはないようです。
小売の2倍前後。
小売に近い有名造り手のワインを見つけてオーダーするも、
「品切れ」と断られました。一見客は優遇されません。

結論
1.料理は悪くない。6500円のコースだと
  CPは悪くは感じないだろう。
  ただ、サービス、店構え、借景などのバランスが悪い。
2.ビール、グラススプマンテの価格が高い。
3.入店するなら1階を避けて、地下にするべし。
4.上級コースの8000円にも魅力的な料理があった。
  試してみる価値はある。
5.ほとんどワインを頼んでいない客が多かった。
  ワインを頼む客を前提にしていないのでは?
6.イゾラ、サドレル、と味は悪くないのですが、
  割高感を与える店が多い中、この店は価格だけは普通です。