第771回 本格的な創作料理とは何だ?

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  • 2005年10月1日(土)
私は理工系出身なのであまり方位とか占いに拘りません。
しかし、経営が何回変わっても、
都度新しい店が潰れていくテナントをみてみると、
方位の悪さがあるのかもしれないと思ってしまいました。

西麻布の「鉄腕」。
場所的には「グート ドール クラッティーニ」の対面でしょうか。
小さなマンションの地下という立地条件ですが、
近所の「ダノイ」も同じく地下で10年以上続けていますから、
決定的なハンディはなっていないと思います。
私の記憶では、この「鉄腕」で3軒目。
いずれも居酒屋的な店でして、
高額和食でも定食屋でもなく中途半端な業態です。
たまに通るだけですが、
客の出入りの気配を感じないほど活気がないなと思っていたら、
トントンと店変わりが起こっておりました。
場所のハンディだけではなく、
根本的に経営方針、コンセプトに誤りがあると思うのですが、
各経営者は解決できていないようです。

そんな中、「鉄腕」も不振が続いたからか
がらりと店前の雰囲気を変えてきたのです。
大きな幟をたて、
そこには「本格的な創作料理」と銘打っております。
ちょっと待ってください。
伝統的な本格和食の対極にあるのが創作和食と思っていたのですが、
本格的な創作料理とは何なのでしょうか。
推測するに、本格的な腕を持つ料理人が造った
「創作料理」と言いたいのでしょうが、
物好きな私でも飛び込むのを躊躇してしまう事が他にあるのです。
同じく店前には大きな垂れ幕をはり、
「鉄腕スタジアム」と称してダイヤモンドを書き、
「鉄板焼き軍」vs「一品料理軍」
と色分けしてメニューを挙げているのです。
とてもまともな和食とは思えません。
チェーン居酒屋でもやらないだろうこの田舎的な宣伝に、
私は早晩また店が変わるだろうと予測せざるを得ません。