第763回 銀座に進出したのはやはり間違い、逸喜優 2

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  • 2005年9月23日(金)
夜のお任せは、白子、アン肝、ホヤ塩辛、蟹内子、
などの小鉢と刺身が各種少量ずつ10皿以上でます。
量や種類的には酒飲みにも充分満足するものでした。
握りは、煮キリがやや物足りなく
シャリも弱いような気がしましたが、
銀座店ということで仕入レベルを変えたのでしょうか、
最上級とは言えないまでも、
碑文谷店と比べるとタネ質は上げていると感じました。
いわゆる江戸前への拘りはないようで、
関鯖、ホタテなども扱い、一仕事している煮ハマ、穴子、
玉子(変わっていて鶉入り)に魅力を感じられないのが残念。
ガリもかなり甘いなどマニアや通に受けないでしょう。

しかし、支払いは結構飲んで2万円チョイ。
銀座での営業は厳しいからか、
碑文谷店から比べたらかなりCPは良くなっていました。
ランチのバラちらしは3150円。
元は賄い料理だったというこのちらしは、
赤身、白身、うに、いくらなどをばらばらにしてタレをかけている
混ぜご飯。
そのまま素早くかき込める変則チラシで、
話のタネにはいいでしょう。
碑文谷地区の主婦層に受けていたと聞きました。

<結論>
現在昼、夜共にかなり集客に苦労しているようです。
夜でも「お決まり」として、5150円をやりだしました。
主人は人柄も良さそうで客としては居心地もよく、
2時間は粘れるので酒飲みとしては有難いですが、
如何せん肝心のタネが江戸前としては中途半端。
あくまで高級住宅街の鮨屋の延長レベルで、
競争激しい銀座の江戸前鮨と競合するには厳しい。
主人は退路を断って銀座に賭けているようですが、
銀座進出を勧めた人は責任を感じているのでしょうか。