第76回 料理評論家、フードジャーナリストの習性・実態その6本当に公言している回数をちゃんと食べているの?

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  • 2003年8月2日(土)
料理評論家、フードジャーナリストは当たり前ですが、外食好き。
食べることが大好きなはずです。
私も勿論食べること、外食することが大好きで、
夜の食事が決まっている場合は朝からいつもウキウキしています。

でも、限られた回数なのが残念です。
ほとんど自腹で食べていますから、
経済的に制限がでるのは仕方がありません。
接待される立場の場合は、こちらから希望を言えません。
大抵、食事内容に重点を置いたものではなく、
その後の店を視野に入れた食事となってしまうのが不満です。
たとえ、毎日取材対象の店で食べ続けても、一日昼夜で2回。
一年毎日これを繰り返しても730店しか取材できません。

フードジャーナリストの犬養裕美子氏は、
12000店の取材を公言しています。
この取材数は驚異的でして、毎日食べまくって
なんと16年強の長い年月が必要となるものです。
現在のお年を存じ上げないですが、
まともに食べながらの取材ではないことは
子供に目にも明らかなことです。
確かにしっかり1食ずつ食べた店の回数も含まれているでしょう。
でもその中の多くは、一日に何件も掛け持ちして、
店で料理人の話を聞いただけ、写真をカメラマンととっただけ、
というのも含まれているはずです。
一口食べただけというのもあるかもしれません。

実際知り合いの料理人から聞いた話ですが、
事前アポをとって取材に来たジャーナリストは、
写真を撮った後そのまま帰ってしまうか、
照明を当てて時間の経った料理をおいしそうに食べて帰るか、の
どちらかだとのことです。
どちらにしてもたいしたことはないようですね。

つまり、自分自身でしっかり食べて評価をしている人は、
物理的に多くの店を取り上げることが出来ないはずなのです。