第738回 グルメ評論だけでは飽き足りないのか 1
- Tweet
- 2005年8月29日(月)
そして人脈自慢だけでは飽き足りないのでしょうか。
俗に言う「グルメ評論」をされている方は、
違った分野に関するコメント、そして進出をしたくなるようです。
ネットに溢れる「食」関係のサイトや
ブログでの「食べ歩き日記」やコメントは数え切れません。
グルメ評論は誰でも出来る
簡単なものだと自覚しているからでしょうか、
「グルメ」の他でも注目を浴びたいという
自己顕示欲を押さえ切れないのか、巷のグルメ評論家の中には、
その分野を離れて「政治問題」にまで触れている方を目にします。
最強鮨コラムの堀内さんは
時たま「政治」などに触れられていたので
それほど違和感をもたなかったのですが、
あの真っ向勝負をされない「逃げ」専門の「さとなお」さんまでが
「郵政民営化問題」について
何回も触れられていたのには驚きました。
Dr.ユウキ氏がちょっと皮肉られていましたが、
私も自己顕示欲をむき出しにしまして、
「さとなお」さんの主張や、
この問題にちょっと触れてみたいと思います。
勿論ヨイショ、教科書的、体制迎合的なコメントではありません。
暴論と受け取られるかもしれませんが、
書き出したらスペースがかなり多くなってしまいまして、
今日から3回、申しわけありませんが
「友里の俄か さとなお・小泉評論」
にお付き合いいただきたいと思います。
「さとなお」さんは、自身のHPの「さなメモ」というところで、
特定郵便局長たちの収入にまで具体的に踏み込んで
「貰い過ぎ」と述べられ、
今のままの郵政民営化法案に賛成の立場を示されています。
彼の主張を簡単に言うと、
民営化により特殊法人への無駄なお金の流れがなくなり
それが民間に流れ活性化し、
既得権益としての族議員など悪の温床もなくなり、
効率もよくなりサービスも向上するというもの。
果たして「民営化」は、とりあえずでも踏み切れば
すべてバラ色になるといったそんな「単純」なものなのでしょうか。
1000万を超えるアクセスを自ら誇るサイトの主宰者の割に、
その影響力を考えずまったく「単純」、
底の浅い主張をしてしまっていいものなのかどうか。
まずは、特定郵便局長の収入をあれこれいう、
つまり人のポケットに手を突っ込む前に、
自分の立場はどうなのかをお考えいただきたい。
彼の勤めている「電通」など大手広告代理店や
TV局などの業界は給料が高いことで有名です。
同じく毎日身を粉にして働いて日本を支えている
各種「メーカー」の勤め人とは破格の違い。
今はチェックが厳しいようですが、
バブル期は若い人でも銀座のクラブで豪遊し、
領収書を何枚かに分散して会社で落としていたと聞きました。
しかし、「さとなお」さんはじめ、
彼らの高額給料などの負担は「電通」の営業費用に乗せられ、
クライアントへ請求、つまりそのスポンサー会社などの広告宣伝費に
そのまま直結しているのです。
どちらかというと「電通」はソフト会社ですから、
原価は人件費が大半を占めているといえるでしょう。
つまり、「さとなお」さんたちの給料が世間一般並みに下がれば、
クライアントの広告宣伝費は削減できるというわけです。
一般消費者が主要客である会社の広告宣伝費は莫大です。
原価率が料理店よりもはるかに低い化粧品や
医薬品(開発費は多いでしょうが)でも、
その広告宣伝費に利益を圧縮されるのは周知の事実です。
すなわち、一般サラリーマンよりかなり高い
「さとなお」さんたちへの高額給料は、
そのまま我々一般消費者が購入する製品価格に転嫁されている、
簡単に言うと「世間一般をかなり超えた高額給料」は
我々一般消費者が支えているということです。
自分の貰い過ぎ
(当人はクリエイティヴな仕事をしていると思っていて
自覚していないでしょうが)を棚に上げて、
特定郵便局長の懐具合を批判しているのです。
既得権益に固執しているのは何も特定郵便局長だけではないのです。
<明日に続く>