第731回 銀座の人気店よ、京都へ出店する勇気があるか
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- 2005年8月22日(月)
また本日からよろしくお願いします。
東京以外の、例えば京都や大阪のフレンチやイタリアンの実力は
どんなものでしょうか。
私の活動範囲は時間と予算が限られますので、
都内、中でも中央区、港区、渋谷区などが主体で
地方はあまりありません。
最近では京都に限って
和食を食べる機会を持とうと頑張っておりますが、
フレンチ、イタリアンに関しては、
旅行や出張時に無理して食べに行こうとまでは考えません。
その理由ですが、誤解を恐れずにはっきり申し上げれば、
フレンチ、イタリアンはやはり都内に
CP含めレベルの高い店が集まっているので、
わざわざその地で食べる必要はないのではないか、
それなら地元の京料理などに集中した方がよい、
との考えだからです。
いやいや、本当においしい店は大阪や京都にある、
お前は知らないだけだ、と言われるかもしれません。
確かに情報や経験が少ないので、
すべての店に当てはまるものではないと思いますが、
確率的には都内の方がレベルの高い店に出くわすことは
間違いないと思っております。
東京でも有名な「ル ポンドシェル」、「トォルトゥーガ」、
「ポンテベッキオ」、「イル ギオットーネ」、「ラ ベ」、
そして昔の「ローズ ガーデン」など
ざっと思い出してみたのですが、
その知名度からの期待値と食後感は、
あまり一致するものではありませんでした。
やはり、和食系、お好み焼き、串揚げ系に絞った方がいい
というのが結論です。
鮨も避けたいジャンルでしょう。
しかし、夢見てか勘違いしてか、地方から都心へ移転、
もしくは分店を出してくる洋食系の店は後を絶ちません。
古くは北海道の「メゾン ド サヴォア」、
そして今秋は「ギオットーネ」が丸の内近辺へでてくるとか。
私はその地にあっての下駄を履かせてもらった評価であって、
勘違いして出てくると、
激戦の都心では埋没すると以前から主張してきました。
フレンチやイタリアンが都心へでてくるということは、
換言すれば東京の和食が「京都」へ移転、
もしくは分店を出すような蛮行だと主張したら言い過ぎでしょうか。
例えば前から主張している銀座近辺の過大評価、
過大人気の和食御三家。
「あさみ」、「うち山」、「馳走 そっ琢」の3店は、
価格と対比して造り、お椀などだけではなく使用食材を含めて、
どこが良いと言われているのか
まったく私には理解できない店ですが、
自称料理評論家やフード・レストランジャーナリストたちの宣伝で
今尚流行り続けております。
しかし、それほど人気と実力があるなら、
「ギオットーネ」ではないですが、
本場京都で勝負してみようと彼らは考えるでしょうか。
私は120%「ありえねー」と考えます。
いくら勘違いした料理人でも、
本場で通用すると思うほど自分を見失ってはいないでしょう。
新幹線に乗らずとも本場の京料理を食べる事が出来ると
一部のフード・レストランジャーナリストたちに言わしめた
「幸村」も、今の使用食材と調理のまま京都へ凱旋したら
通用しないと考えます。
相変わらず連日満席のようですが、
ネットで人気の大阪のフレンチ、
「ミクニ」出身のシェフが腕を振るう「カランドリエ」と同じく、
本場の有名店から地方(東京も京料理にとっては地方と考えます)へ
独立しただけで下駄を履かせてもらえる、
軽井沢の「タムラ」とも似た現象と私は思うのです。
結論として、地方からフレンチやイタリアンが
都心へ打って出てくるという事は、
東京の和食が京都へうって出るのと
同じような蛮行だと言い切ってしまうわけですが、
またまた言い過ぎ、独善とご批判をいただくかもしれません。