第72回 出資会社が前面に出てきたら
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- 2003年7月29日(火)
和食を含めて自分の店を持ちたい、と思う
独立予備軍の料理人たちはかなりの数に上っているようです。
スポンサーを探している、という話を
最近よく聞くようになりました。
店の常連からの援助で独立する、
知人・親戚からの援助と自分の蓄えで独立する、というのが
今迄の一般的な方法かと思っていたのですが、
ここにも多店舗展開する会社の資本が流れてきたようです。
最近ではピッツェリアのチェーン展開をしている
「グラナダ」という会社が目立っています。
六本木ヒルズにオープンした、ミラノの2つ星店「サドレル」の
日本分店もここの出資だと、TVでも大々的にやっておりました。
つまり、上は2つ星店(といっても支店だが)から、
「リストランテキオラ」(麻布十番)をはさんで
ピッツェリアの「イゾラ」チェーンまで、網羅しています。
このように、出資会社が経営する店のシェフは、
本当のところ「雇われシェフ」。
フードジャーナリストの紹介では、このことを書き飛ばし、
あたかもシェフの店のような記述もありますが、
実はサラリーマンシェフなのです。
料理、値段設定、狙いの客層などのコンセプトは、
出資者側に握られているので、これらの店を訪ねる場合は、
料理人の性格を吟味する前に、
出資会社のオーナーの性格を分析する必要があるようです。
反対に、出資会社の存在を
表に出さずにじっとしている店もあります。同じ六本木ヒルズの
「ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション」ですが、
私は以前、そのままを書くと
来訪している人の夢が壊れるかと遠慮して、
「イヴェント系の会社」とか言葉を濁しました。
宅配ピザの「ピザーラ」をやっている
「フォーシーズ」が親会社と書くのをはばかったのですが、
最近はっきり横川潤氏が自爆して書いてくれましたので、
今回安心して書くことができました。
宅配ピザ屋と斬新なコンセプトで企画された?フレンチ、
これが姉妹店と公にするよりも、黙っていたほうが印象、
食後感も違ったのではないでしょうか。