第71回 初訪問、「さわ田」(中野坂下)

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  • 2003年7月28日(月)
<事前情報>
1.昨年開店した、中野坂上にある鮨屋。山本益博氏が
  評論家の掟破りかと思うほど読者に来訪を勧めた店。
2.狙いは的中。今では日本で最も予約が取り難い鮨屋。
3.一日2回転。わずか5席のカウンターで、
  客は一斉に決められた時間にスタートし、終了する。
4.お任せのみでお酒を飲んで2万円強。
5.トイレが店内にないので、訪問前に身軽にする必要がある。

<感想、その他>
立地条件
最寄り駅の中野坂上からはかなり遠いようです。
タクシーで乗り付ける際、
なかなか地番だけではわかりにくく苦労しました。

外観・内装
隣の大衆的な焼鳥屋が目立ちすぎるも、
価格表の出ていない高級鮨屋の外観。
中は、本当に5人できつきつのカウンターのみです。
隣の人と肩触れ合うくらいの密集度でしたが、
事前情報をばっちり仕入れていただけに驚きません。

料理
握り一辺倒ではなく、酒飲みも楽しめるコンセプトの鮨屋。
つまみ、握りと20品くらいの品数で、
その半数をツマミにしているほど
酒飲みにも重点を置いているようだ。
最近、益博氏が鮨屋で酒を飲むのは野暮、ということを
盛んにアピールしていたので、
鮨屋へ酒飲みは行きにくい風潮があります。
その点、この店は同じ彼のお勧めといえども、
そのコンセプトは「すきやばし 次郎」と違っているようです。
詳しくネタを書くことは出来ませんが、
確かに、天然物と思えるネタに遭遇することが出来ると思います。
量も充分。

オヤジ
主人は見かけより若いようです。
日本一の鮨屋「すきやばし 次郎」の主人を見慣れたからか
逆にこの店の主人は今のところ非常にまとも、謙虚に感じました。
ただ、ネタが良い、素晴らしいとの評判ですが、
彼のルーツは銀座の「青木」のはず。
仕入れに対する顔、ルートは今の「青木」若主人と
大差がないと考えます。
街場の独立したての鮨屋で、そんなに顔が利くとは思えません。
ということは、実は銀座の店と同じ仕入れ元で、
中野坂上という意外性のある場所柄のせいでうまく感じるのか、
それとも原価率を上げて
より「青木」より上物を仕入れているのか、どちらかでしょう。
確認に「青木」を再度訪問する必要がありそうです。


1種類しかないようです。銘柄聞かず。

結論
山本益博氏が不自然に宣伝していたので、
胡散臭い店かと思いましたが、意外に真っ当な鮨屋。
金額は都心の高級店に値する額を請求される。
銀座や赤坂にも欲しい店と感じるが、
はたして同じ主人、同じネタを都心へ持ってきて開店して、
いまほどの評価を得られるか。
多分に、場所柄の意外性も後押ししていることは否めないだろう。
ネタに比較して、握り具合、技術は
そんなに傑出していないと思います。