第712回 銀座で埋没しないか、さわ田 2

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  • 2005年7月22日(金)
基本的にお任せの内容は変わらず、
ツマミ、握り共10種以上が3時間かけて供されます。
当日は、ヒラメの質がイマイチと感じた以外、
相変わらずレベルの高いタネ質だったのですが、
私は価格上昇以外にCP低下に直結してしまう事に気がつきました。

ずばりポーションです。
ウリの一つだった蒸し鮑。
あるフードライターは、赤ん坊の握り拳大と称するほど
一人分が大きかったのですが、定員が7名に増えたためか、
かなり小さくなっていました。
しめ鯖も厚みが薄く、
もう一つのウリである大トロの炙りも一人分は小さかった。
質だけで勝負する鮪や白物のほか、
コハダやキスといった一仕事した〆物も
かなり良くなってきていると感じて、
握りも含めて最終的にはお腹一杯になります。
よって定員が5名から7名に増えた影響で、
ネタによってポーションが小さくなるのは致し方ないことなのか。

女性スタッフが入るはずだったが寸前で離脱したということで、
主人一人のサービスで、一人当たり3万円強。
春先には若い衆が一人入ったからか、
客単価は3万5千円にまで上がってしまったと聞いています。
時間単価としては銀座で高くはありませんが、
入店時刻や食事時間が制限されてしまう
この中野式が今後も銀座の客に通用するでしょうか。
同伴カップルは無理。
基本的にお好みがないので年寄りも難しい。
今は中野からの常連などで盛況のようですが、
一巡した後が勝負どころでしょう。
中野の時の常連が、銀座の他の高額鮨屋を経験してしまうと、
浮気されてしまう可能性があるからです。

<結論>
銀座の鮨屋でも「次郎」を除くと
予算的にはトップに位置する高額鮨店。
中野だから受けた主人一人での澤田劇場3時間が、
銀座客に必ずしも受けるとは限りません。
ネタ質では優劣つけ難い高額店が集まっている銀座です。
どこまで自分のスタイル、意地が通せるか、
半年、1年先が読めません。
いすれは営業形態を変えていくといった噂も聞いております。