第69回 料理店オープン時にタレント看板は必要か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2003年7月26日(土)
よく新装開店した店で、
生花などが送り主の名を書いたプレートとともに
店先に飾られているのを見かけます。
食材や酒類の納入業者、内装業者に混じって、
料理人やオーナーの人脈を示したいのか
芸能人、業界人の名も見かけます。

そして、六本木ヒルズ。
ほとんどの店が一斉にオープンしましたが、
料理店の中で変わった展示をしている店をみつけました。

一つは「ザ キッチン サルヴァトーレ」。
ガラス面に、名前を書いた紙のプレートを
多数張り出していました。
野球選手から演歌歌手、業界人など
多業種にわたる幅広い交際範囲です。
クオモ兄弟は雇われですから、
この人脈はオーナーの関係なのでしょう。
そしてもう一つは「ル ショコラ ドゥ アッシュ」。
木のプレートのようなものが外壁に多数張られていました。
でも「サルバトーレ」と重なる人脈が目立ったのが不思議です。
イヴェント会社かなにかで、
このようなプレートを手配する仕事をしているところが
あるのかもしれません。

どちらにしても、これら派手な人脈は
我々一般客にはあまり必要ありません。
業界人、芸能人との交際は、
料理人、パティシエといった、
職人としての地道な努力や精進とは
まったく逆の印象を与えてしまいます。
地に足つけて仕事をしているのだろうか、
店へ行ったら芸能人ばかりではないか、と
疑問をもたれる場合もあります。
必ずしも、店にも有利になるものではありません。

取り巻き、常連に持て囃されて、
派手な交際を自慢したい気持ちもわかりますが、
一般客はそれを求めていないことをわかっていただきたい。