第635回 王様を踏み台にしているとしか思えない
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- 2005年5月6日(金)
1面に「美食の王様」の来栖けい氏の特集が、
かなりのスペースで組まれてあったのですが、
そのイントロのところでマスヒロ氏のコメントとして、
「私の若き後継者・・」という記述がありました。
読者の方々からもその記事に関するメールをいただきましたが、
「自分の後継者」と言い切る自信、
つまり自分を何様と思っているのかといった批判ばかりでした。
ま、TV番組でナレーターが彼を「賢人」と呼ぶ構成に、
恥じらいというか抵抗感を持たない自己顕示欲の強い方ですから、
我々一般人の常識を適用する事は無理かもしれません。
しかも、「大人の週末」で
3ヶ月にわたって来栖けい氏を取り上げているのですが、
そのやり方が私には疑問、彼の狡猾な手法が嫌いです。
第一報としては、それこそ「私の後継者」と呼び、
読者に期待感を持たせます。
しかし、第2報では、来栖けい氏がベストワンと言っている鮨屋、
「入船」のシャリに対して、
酢が利いていなくてこれは鮨ではないと言っています。
鮨はタネが4でシャリが6、
ということは「入船」の鮨は失格ということです。
彼は来栖氏を「次郎」へ連れて行き、
二郎さんにタネの乗っていない、「シャリ」だけを握らせ、
それを来栖さんに食べさせたと聞きましたが、
かなりの嫌味ではないでしょうか。
良くある手法ですが、台頭してきた人間に一発かまして俺が上だ、
と順位付けして、頭を抑えて今後に利用する手法です。
二郎さんもこれみよがしに、シャリが重要と言っていましたし、
最近のマスヒロさんの「しみづ」の紹介記事でも、
「入船」や来栖氏を意識してか、
「酢の利いたシャリが鮨の生命線」みたいなことを強調しています。
こんなにけなすというか、
馬鹿にしておいて「自分の後継者」とはよく言ったもんだ。
また大人の週末第三報では、
二人で日本橋「サン パウ」に出かけた時、
来栖氏一番のお勧め料理
「エスパルデーニャス(ナマコの筋肉)」を、
スペイン本場のものと比べてヨード分が乏しいと感じて指摘、
来栖氏の渡西経験のないことを公開して、
「ぜひスペインへ行ってみるといい」と唆したと自慢しています。
でもマスヒロさん自身、
そんなにスペインに行っていたのでしょうか。
「エルブジ」も5~6年前くらいから
急に取り上げてきたと私は記憶しているのですが・・・
しかしこの3ヶ月に渡る来栖氏を取り上げた手帳を読んで、
読者の方はどういう読後感を持つでしょうか。
私のコラムの読者の方、つまり食べ慣れた方たち、
どちらかというとマスヒロさんたちに否定的な方たちなら、
なんと嫌味な言動だと思うかもしれません。
でも、「大人の週末」のメインの読者である「純粋」な方たちは、
「来栖氏をも子供扱いでまったく問題にしていない、
逆に指導するとはさすがマスヒロさんはグルメ業界の第一人者だ」
と関心、ますます信奉してしまうのではないでしょうか。
まさに、「持ち上げるフリをして、踏み台にしている」
と感じるのは私たちだけでしょうか。