第604回 勘違い移転で集客失敗の典型例、趙楊 その2

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  • 2005年4月5日(火)
まず店構え。
街場の中華だったのですが、
入り口正面には威圧感ある衝立を配置、
テーブルや器も見栄を張ったのか高級感のあるものになっています。
前店の面影がありません。
4人掛けが7卓に円卓、
そして個室まで用意されているキャパにもびっくり。
そしてスタッフ。
今までは片言の日本語をしゃべる男性スタッフだったのですが、
チャイナドレスの若い女性とマダムらしき人に入れ替わりました。

メニューも驚くべき変身を遂げていました。
ランチはなくなり、昼は単品料理かコースが8千円。
(現在は不人気で昼夜とも値下げコースも設定しています)
移転前の夜よりも高いコースに驚きです。
しかも単品は、前菜や麺類、水餃子など安いもので1500円前後、
普通の料理は2000~3500円と高級中華店並みの価格。
3~4割は値上げしています。
人気だった陳麻婆豆腐は1800円からなんと2400円になっていました。
しかも量が減ったように感じます。
昼時に気安く食べる中華の範囲をはるかに越えてしまったのです。

夜は更に驚きです。
単品注文には応じず、すべてコース対応。
しかも最低コースで9千円です。
そして、1万2千円、1万8千円、2万5千円、
3万2千円コースまであります。
オープン初日に店先のメニューをみて私はしばし呆然。
ここまで気持ちよく勘違いしてしまった主人に驚きました。
今までが客単価5千円前後だったのです。
一気に3倍以上の売り上げ増を狙ってきたのですから、
主人は相当な自信家なのでしょう。

しかし私の予想通り。
交詢ビルへ行くたびに気になってチェックしているのですが、
昼時はせいぜい数組、ひどいときは誰も入っておりません。
夜も数組でしょうか、
活況だった新橋時代とはまったく違った寂しい店内を
ビル内で晒しておりました。
不振を続ける交詢ビルの料理店の中でも、
やはり値付けが高すぎた豚カツの「かつぜん」と並ぶ
不入り店の横綱格となっております。

<明日に続く>