第6回 ワインの値付けの判定方法

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  • 2003年5月24日(土)
ビールは一般小売価格が公になっていますから、
どのお店でも大差ない値付けとなっていますね。
600円から800円でしょうか。
いくらなんでも1000円以上で出す勇気の店はないでしょう。
小売の3倍強です。といっても絶対価格が安いですから
店の粗利はわずかです。
そこで、上得意先である飲食店に
軸足を置いた営業方針をとっているビール会社は、
中瓶、小瓶といった一般客にはまったく損なものを開発しました。
店での売り価格はそのままに、
量を減らして店の仕入れ価格を安くして、
店の粗利を増やさせる作戦です。

それでも、ビールは儲からない、手間だけかかると思ってか、
置いていない店が中にはあります。有名店では「アピシウス」。
世界的には立派な食前酒として認知されているはずなのですが。
余談ですが、他に敬遠されているものに「スープ」がありますね。
手間がかかる割に、高い価格で設定できないので、
メニュに載せる店は少なくなりました。
昔は、フレンチの定番だったのに。

本題です。まず、店でワインリストを出されたら、
シャンパーニュのところに注目してください。
高級フレンチ店といえども、
スティルワイン(普通の白ワイン、赤ワイン)より
シャンパーニュをボトルで頼む人は少ないですから、
粗利率は高く設定しています。
でも、どこでも売っている、価格のばれている物が多いので、
誰でも比較できるのです。
シャンパーニュの項を見つけたら、
最初に書かれているノンヴィンテージの
安いものの価格を見てください。
ポメリー、ランソン、ヴーヴ・クリコ、
モエ エ シャンドンなどディスカウントショップの棚にも
置いてあるような大手のメーカーのノンヴィンテージもの
(以下ノンヴィン)は、どの料理店でも置いてあります。
これらノンヴィンテージものは、
うまく買えば小売でも4000円を切って買えるものです。
料理店の仕入れは3000円しないでしょう。
これらのシャンパーニュがリストに7000円近辺であったら、
良心的な値付けをしている店だと思ってください。
小売の2倍、仕入れの3倍近く、粗利で4000円以上ありますが、
抜栓代やグラスの損料がありますからね。
実際、店の値はバラバラです。
6000円以下で売っている店もあれば、
1万円を越えて売る皮の突っ張った経営の店もあります。
つまり、誰でも元値がわかる
ノンヴィンのシャンパーニュの掛け率をみれば、
他のスティルワインの掛け率もわかろうと言うものです。

白、赤ワインはヴィンテージや造り手によって、
そして畑によって小売価格が千差万別です。
なかなかすべてをつかみきれません。
ですから、このシャンパーニュの値付け方針を読み取ることで、
その店の白、赤ワインが絶対価格でなく、
相対的にお買い得なのか、ボリ過ぎなのか判断できるわけです。
でも、このコーナーを読んで、
あまり出ないシャンパーニュだからと考えて、
安く値付けしなおしてごまかすような
儲け主義の店がでてきたら、その限りではありません。
今後はシャンパーニュの値付けの変化に注意しましょう。