第567回 ワインの諸々 その50魔法のスティック?

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  • 2005年2月27日(日)
今年はじめ、
読者の方から面白いワイングッズを教えていただきました。
ソムリエだかワイン醸造家だか確かではありませんが、
10年の歳月をかけて開発した
ワイン熟成促進のスティックとのこと。
棒の先に触媒のようなものが貼り付けてあり、
グラスに注いだワインに浸すだけで、
そのワインが熟成するという触れ込みです。
浸す時間は秒単位。
1秒浸すと1年熟成するということで、
この秒単位でのコントロールに10年の日時を要したとのことでした。
価格は、ポケットに入るものと棒状のものの2種で、8千円ほど。
変な装飾を施したデラックス版もありますが、
かえって安く見えそうで必要ないでしょう。

早速ネットで購入したのですが、使ったのは1回だけです。
熟成したワインに使うものではありませんし、
デイリーワインでも
7~8年経った安いワインを探して飲んでいるので、
買ってから気づいたのですが
私にはあまり必要のないものであったのです。
そんな中、普段は購入しない近所の「カクヤス」で無理に見つけた
2002年ものボルドー格付けなしワインを
焼肉屋で飲むとき使用しました。
元々が樽香と味わいのバランスが悪いこの手のワイン。
スティックを浸さないで飲んだ最初の1杯は
「こんなものか」だったのですが、
銅色の触媒のついたスティックを
飲み物に浸すには勇気が要りました。
体に影響はないだろうかとの心配もありましたが、
1~2秒浸して飲んだところ、
確かに味が変わったように感じました。
人間の先入観と宣伝による
「すりこみ効果」というのは恐ろしいもので、
同席の仲間皆が、味が変わったと言い出します。

しかし、私も含めてみな、「おいしくはならない」と意見が一致、
かくして残りのワインは
スティックを入れずにそのまま飲んだ次第です。

結論は
「たいしておいしくないワインがおいしくなるわけではなく、
かえってそのまま飲んだ方が良い」

最初からおいしいワインに
スティックを入れるような危険を冒すことはできず、
結局我が家ではそのスティックは早々とお蔵入りとなりました。
よってどこのサイトで購入したか、
そのサイトのURLを含めて記録が見当たらないのですが、
埃をかぶった木箱を取り出してみたら、
「CLEF DU VIN」という文字が書いてありました。
ミーハーなのでよく通販で
いろいろなものを購入してしまうのですが、
いつもの通り私には役に立つものではなかったようです。