第548回 料理も店も増やさない、OZAWA 2
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- 2005年2月8日(火)
最近の若手シェフに否定的な小澤氏のもう一つの特徴は、
料理が安定しているということでしょうか。
あまり種類を増やすわけではなく、
同じ定番料理を提供し続けていますが、
悪く言えばほとんど代わり映えのないもの。
夜の客層が比較的高年齢、家族連れの地元客、というのは
この理由からだと推測します。
プリフィクスコースで、冷前菜、温前菜、魚、肉のうち、
3品で8千円、4品選ぶと10500円。
各々4種類ほど用意されていて
1千円ほどの追加料金のものもいくつかあります。
馬肉のタルタル、
追加料金ではありますがキャビアのコロッケといった前菜の他、
初めての人にお勧めなのが
魚料理に位置するオマール海老の茶碗蒸し。
ネーミングからして純粋なフレンチとは言いがたいですが、
たっぷりのコライユ風味で誰にでも受ける味と考えます。
肉類も子羊、牛、牛タン、ほろほろ鳥、鶉など
そこそこの種類を揃えた誰にでもわかりやすい料理です。
ただし、ワインの値付けはあまり安くありません。
ノンヴィンのシャンパーニュが8千円、
これはまずまずなのですが、
白、赤ワインとも村名クラスで1万円前後ですから、
もう少し安いワインを取り揃えてもらいたい。
よってワイン飲みには、レベルを抑えても、
一人2万円近くになってしまいます。
<結論>
目の届く範囲でクオリティを落とさず料理を提供し続けたいからか、
分店を出さないその矜持には感心です。
料理の傾向というかメニューにあまり新しさを感じないので、
季節ごとにたびたび訪れるには無理がありますが、
年に1回は家族や親しい仲間と再訪しても良い店といえるでしょう。