第549回 料理評論家、フード・レストランジャーナリストへの質問状その8料理人達が本当はどう思っているのか

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  • 2005年2月9日(水)
世に料理評論家、
レストランジャーナリストと名乗る人は限られていますが、
フードライター、グルメライターと称する人は
かなりいるのではないでしょうか。
TVでほとんど毎日流されているグルメ番組を考えれば、
この業界の関係者、特に取材をする立場の人は
かなりの数になると考えます。

現役のシェフや板長から、
「実際は食材や調理、ワインの知識もなく、
味もほとんどわかっているとは思えない」という話を、
実名を挙げながら聞いた事があります。
しかし、そうは言っても彼ら、彼女らは
店に客を運んでくれる力のある立派な宣伝屋。
正面きっては口が裂けても言えない一言なのでしょう、
雑誌やTVでは、仲良さそうにインタビューに応じ、
また彼女らを持ち上げるコメントを発し、
またあるTV番組では
名刺を持って最敬礼してしまうシェフを見てしまうと
複雑な思いというか私は空しくなってしまいます。

でも彼ら料理人の本心はどうなのでしょうか。
料理評論家、フード・レストランジャーナリストたちは
冷静に自分たちがどう思われているか考えた事があるのかどうか。
例えばこの友里征耶に対して。

自腹だ、なんだと偉そうなことを言っているが
所詮零細企業のオヤジではないか。
経費で落としているに決まっている。
ただの中年オヤジが、ちょっと外食が多かったからといって、
生半可な食材や調理の知識を振りかざすだけで、
本当の味がわかるか、料理が造れるのか。
そんな舌を持っているのか。
店を訪問した数が多ければいいって物じゃない。
文句を言うとまた書かれるから黙っているだけだ。
認定ソムリエなど掃いて捨てるほどいるぞ。

などということを思われているのは簡単に想像できます。
でも、これって零細企業云々やソムリエの部分を除いたら、
既存の自称料理評論家、
フード・レストランジャーナリストたちへの思いとも
共通することだと思うのです。
加えると、あるレストランジャーナリストは
老舗や大店、高額店に相手にされず、
新興の店しか取り上げられない料理店迎合人ではないか、
ある女性フードライターは知識もなく
味もまったくわからないただのB級の大食いなだけでないか、
ある料理評論家は生い立ちから言って
浅草系の丼物などしか専門ではなかったはずなのに、
いつの間にフレンチから和食までやるようになったんだ、
といった水面下の話も聞こえてきます。
でも表面上ひれ伏している料理人を目の当たりにしていると、
彼らはこんな風に言われているとは
まったく気がつかないのでしょうか。