第534回 東京一辛いのではないか、東坡 その1

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  • 2005年1月25日(火)
麻婆豆腐を食べ歩いている時、
友人から教えられた、
原宿セコムビルの明治通り反対側の路地に位置する、
カウンター8席とテーブル1卓の小さな四川料理店です。
マダムと料理人の姉弟だけで、
カウンターなど設えも高級感はありませんが、
綺麗に掃除はゆきとどいています。

キャパが少ないからか、常連重視の営業方針。
当日に問合せしてくる常連のために、
席はすべて予約をとっていないようです。
この手の店では避けられないのがマダムの個性ですが、
一見にもそれほど厳しいものではありません。
最初から何皿でもオーダー可、何本でもお酒を飲めますし、
ウリの麻婆豆腐へのオーダーも拒否しません。

近辺は私の年頃の人間には理解できない格好をした若者、
そして外人が闊歩していますが、
この店の客層はやや業界人っぽい人、料理人仲間など、
どちらかというと住宅地の小料理屋の雰囲気です。
マダムが入店してくる一見客に
「麺類はない」と念押しする場面にあうこともありますが、
使い古したメニューのほか、
壁にはお勧めの料理が紹介されています。

絶対にはずせないのが、
マダムが居ないと出ない(つまり彼女が造っている)水餃子に、
トマト豆腐、そして死ぬかと思うくらい辛い麻婆豆腐です。
目の前で、皮に具を包んで茹でる水餃子は、
何も付けずにそのまま食べるよう指示されます。
軽い中にも旨みを感じる面白いもの。
たとえ紹興酒に切り替えていても、
再びビールを飲みたくなる定番です。

<明日に続く>