第499回 友里が考える「客が納得する店」とは その2大儲けできる商売ではないことを念頭に

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  • 2004年12月8日(水)
今回は飲食店の業態というか、
経営目標をどうすべきかを考えてみたいと思います。
はっきり言って、私は飲食店経営では、
大きな売り上げや大きな利益を求めることは無理だと考えます。

今バタバタ潰れているゴルフ場を見てみてください。
バブル期、男子の夢はプロ野球の監督と、
ゴルフ場のオーナーだと言われて、
かなりの会社の代表者がこの道へ足を突っ込んできました。
それが今、軒並み客足が落ちて
ほとんどが青息吐息となっております。
実は飲食店と同じで、
ゴルフ場もそんなに旨みがあるビジネスではなく、
経営的には右肩上がりとはならないのです。

その理由はずばり入場者数の限界です。
ゴルフ場は一日の入場者数が決まっています。
つまり年間バブル時の最盛期でも18ホールならば
売り上げは10億円に届かず、今のような過当競争時には、
5億円にも届かないのが普通となっております。
ドリンク剤、化粧品、ブランドのバッグなど
実際は有限でありますが、購入者が数え切れない場合は、
ヒットすればどんどん売り上げ、利益が上がりますが、
ゴルフ場や飲食店は箱が決まっているので、
どんなに流行ろうが売り上げはすぐ限界になります。
つまり、ある程度流行ってしまうと、
現在も5年後も10年後も売り上げの増大は無理なのです。

特に飲食店は、客単価を1万円の中上級の店としても、
主人が見ていられる規模はせいぜい30名キャパです。
連日満席と流行っていても、
一ヶ月25日営業で1年やって、売り上げは年間9千万円。
食材費や地代、人件費など諸経費を差し引くと、
その収入は成功しても
今露出度抜群のネットバブル紳士とは比べ物にならないどころか、
TV局や広告代理店のサラリーマンより低くなるかもしれません。
少なくとも、
外資系の証券や銀行に勤めている人のほうが上でしょう。
客単価を5割上げて高額店にしたところで、
食材費などの支出も増え、
来る客が限られてきますから効果があるかどうか。

よって、この業界で一発当てようと山っ気のある人、
高級外車に乗りたい、
高級機械式時計を持ちたい、億ションに住みたい、
成功したら毎日厨房に立つのは苦しいから楽をしたい、
といった人は、
売り上げ増、そして更なる利益を目指して支店、分店を造り
チェーン店化していくのです。
平松氏、三國氏、石鍋氏など
多店舗展開している料理人を見れば誰でもわかることです。
当然店が膨張しますから、
反面クオリティーは劣化してしまいます。

中には分店を出さないかわりに
移転で一気に客単価を倍増して売り上げ、
利益増を狙う料理人も居ます。

しかし、成功しているのは極わずかです。
何度も書きましたが、
「衝立と店は広げたら倒れる」の格言どおり、
ダイエー、そごうなど大手の小売業に限らず、
ソーホーズや青柳もなかなか苦しいはず。
エノテカもレストラン部門を売却しました。
あのタイユヴァンも撤退したくらいです。

飲食店経営というのは、
マスコミが持ち上げて派手な印象がありますが、
本来地道な商売のはず。
あくまで私見ではありますが、
飲食店で大儲けということではなく、
料理人と客がお互い利益を得られる、
地に足の着いた堅実で地味な営業が長続きすると考えます。
飲食店経営で、大きな利益を上げようとすると必ず無理が来て、
結果、客のみならず
経営側にも跳ね返ってくるものと考えた方がよいと私は考えます。