第497回 リストランテとは思えない、アモーレ 1

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  • 2004年12月6日(月)
六本木駅から外苑東通りを青山方面へ進み、
あのベルファーレ近くにある「リストランテ アモーレ」。
瞬間湯沸し器と言われている澤口シェフが
昨年末に前店「ラ ゴーラ」から独立したイタリアンであります。
雑誌でこの店を知ったとき、私は「あれれ」と思いました。
以前の雑誌などマスコミでは、
澤口氏をその「ラ ゴーラ」の
オーナーシェフとして紹介していたものがかなりあったからです。
自分の店のシェフをやめて
すぐ近所に別の店を造りシェフに納まる?
しかも前店は別の人がシェフになっている?
以前の情報が正しければ、
これは単に分店を造っただけのことなのですが、
実際は「ラ ゴーラ」では、ただの雇われシェフだったようです。
フード・レストランジャーナリストたちはやたら、
オーナーシェフという称号を乱発しますが、
料理店で一番問題になる
営業姿勢を決定する経営者を間違えるのですから話になりません。

六本木の「ヴェルファーレ」近くの余り目立たない佇まい。
わかりにくい入り口を入った瞬間に、
この店が「リストランテ」の
カテゴリーには属していない店であることが判明します。
オープンキッチン、
10席あるカウンター、テーブルは9卓に何やら変な個室、
店内はシェフを入れて3名、
とその設備、陣容だけでも
「リストランテ」とかけ離れたイメージでありますが、
寒い時期に訪れると
コートは客が自分でコート掛けに掛けなければなりません。
グリッシーニは用意されておらず、
パンも要求するまで出てこなかった。

その日入荷した食材から、
シェフと客が相談しながら料理を決めていく新しいスタイルの店、
とフード・レストランジャーナリストたちは紹介していましたが、
実際は店側の思惑で客側の要求を制限しているだけです。

<明日に続く>