第496回 ワインの諸々 その40ヌーボーを飲みましたか
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- 2004年12月5日(日)
私は立場上、解禁日にちょっと口にしました。
年によって天候の違いがあるはずなのに、
解禁日近くになると
毎年「今年のヌーボーは出来がいい」という
宣伝文句が飛び交う不思議。
今年も過去最高数のヌーボーが日本へ輸入されたそうです。
しかし、こんなに大量のヌーボーを誰が飲んでいるのでしょうか。
元来、ヌーボーはワインというよりジュースみたいなもの。
出来がいいも悪いもそんなに味に違いがあるとは思えません。
クリスマスと同じく、
日本特有の輸入お祭りみたいなものですから、
誰でもその日はヌーボーを飲み、
クリスマスケーキを食べるのはわかります。
しかし、解禁日以降も度々飲むワイン好きがいるのかどうか。
少なくとも私の周りには見当たりません。
ボジョレーもヌーボーでないもの、
たとえばムーラン ア ヴァン、
モルゴンといった畑名のついた
「クリュ ボジョレー」というランクのワインは、
しっかり造られたならばその味わいは深く、
かなりの熟成にも耐えうるでしょう。
実際、熟成したクリュ ボジョレーは
ブルゴーニュの赤の代表である
ピノ ノワールと似た味わいになり、
テイスティングのひっかけに使われることがあります。
40年たったボジョレーを飲んだことがありますが、
それはそれでおいしいものでした。
しかし、ヌーボーは違います。
最近は売らんが為、高価格にしたいが為に、
ビオディナミ、ビオロジックといった
有機栽培系の栽培法を
前面にだしてきたヌーボーもあるようですが、
インポーター関係者には怒られるかもしれませんが、
収穫してあっという間に出荷のジュースです。
そんなに違いがないと言ってしまったら
実も蓋もないかもしれませんが、
マスコミを含めた最近の煽りに私は疑問です。