第48回 料理評論家、フードジャーナリストの習性・実態 その2実はワインの知識、経験が乏しいのでは?

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  • 2003年7月5日(土)
フレンチやイタリアンで食事をする時は、
ワインはかかせない飲み物です。
体質や信条で飲まれない方もいらっしゃるかと思いますが、
できれば料理と合わせていただければ
また、楽しみが増えるというものです。
ワイン界にもうるさいオタクが多いのですが、
私は決して難しいものではないと思っております。
ワインは奥がとてつもなく深いでしょうが、
手前でも充分楽しめるものなのです。
専門家であるソムリエもたいして実力、
経験もないのは説明済みですよね。

ただ問題なのは、一般読者ではないジャーナリストたちが
ちょっとワインに興味を持ったからといって
大手をふるって経歴などに書くのはいかがなものかと思うのです。
なにも認定試験を通れば良いと言っているのではありません。
一時期、ソムリエやワインアドヴァイザーの
認定合格者がものすごく増えてしまいました。
受験資格を厳密に審査しなかったことも原因の一つです。
そのせいかは知りませんが、
一般のジャーナリストが少し勉強した、
もしくは認定を取ったといってワインジャーナリストを名乗り、
またはワインに詳しい料理評論家、
フードジャーナリストと名乗ることを許す風潮が
この業界にはあります。
問題は認定資格ではなく、経験とワインに対する確固たる考え、
そしてブショネの判定を含めた選別力です。

でも料理評論家やフードジャーナリストは
ワインに詳しいような事をほのめかしていても、
読者のためになるような指摘、問題点などを挙げず、
有名ソムリエのサービス(本当にわかっているかは疑問)や
料理にお任せで合わせてもらった
ワインの相性を褒め称えるだけです。
ワインに詳しい人は、リストを見て
選ぶことに喜びを感じるものです。よほどの常連の店で客の好み、
予算を知っているソムリエ以外、
お任せでワインを頼むようなことはしません。

本来は、その店が、適正な価格で
ワインを提供しているかどうかの値付け、
適切なサービス能力をもったソムリエを雇っているか、
ワインの保管状態はどうか、
ブショネのワインをちゃんと交換してくれるか、
などをみなければならないと思うのです。
特に値付けは料理人の客サービスに対する性格、
営業方針を見るうえでも必要です。

上辺の知識しかなく、ワインに対する確固たる信念がないのか、
料理評論家、フードジャーナリストが
これら店のワインの問題点に触れている本、
雑誌がないのが残念です。