第476回 料理以前に問題がある、ナルカミ 1

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  • 2004年11月15日(月)
一時期多くの雑誌で
注目のフレンチとして取り上げられていた
「レストラン ナルカミ」は、
銀座の「福臨門」近くの小さなビルの地下にあります。
狭い階段を降りていくと
入り口付近になんと盛り塩がしてあります。
高額洋食系の店では珍しい光景です。

店内も赤と黒を使った異様な配色が目立ち、
ホールにはなぜか衝立まであります。
カウンターが4席に
テーブルが10卓くらいの20数名のキャパで、
地下の閉塞感を和らげようとしているのでしょうが、
派手なこの配色は落ち着くものではありません。
和風の位置皿もなんですが、
カトラリーにいたってはオーナーのセンスを疑ってしまいます。
波うった形状の非常に使いにくいもので、
これを用いることによって客に何を提供したいのか、
何を訴えたいのか、単なる奇を衒うことだけの為ならば
内装といい本末転倒と考えます。

着席すると先にアミューズがでてきてからメニューが渡されます。
コースは8千円と1万2千円とかなり強気の値付、
では単品はどうかというと前菜が3500円前後、
魚や肉類も4500円前後と
これまたこの規模としては高めの設定です。
コースの内容は単品と重なるようですから、
デセールやテを頼むかどうかで
コース、単品どちらを選んでもその差はないと考えます。

ワインは高い。
グラスシャンパーニュはヴィンテージがあるといっても
ヴーヴクリコの普及版が1700円。
小売でも1本1万円を軽く下回りますからかなりの値付けですが、
気が抜けていましたから前夜以前の抜栓だったのでしょう。
リストのワインも種類は少なく、
小売の倍はつけているでしょうか。
DRCやペトリュスといった
10万円前後のワインを置いてあるのに、
1万円以下のものが少ないのはいかがなものか。
そんな高額ワインを飲むような店ではないと思うのです。

<明日へ続く>