第459回 交詢ビルの飲食店が流行らない訳
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- 2004年10月29日(金)
嘆いている主人が多いのではないでしょうか。
交詢ビルの飲食店への訪問の度、
その客入りの悲惨さを目にして
私は上記のようなオーナーたちの嘆息を想像してしまうのです。
比較的小ぶりな店が多い4階。
しかし、ここで笑っていられるのは「六覺燈」くらいでしょうか。
夜は客がある程度入っているようですが、
昼夜同じ営業スタイルですから昼の客入りは悪いようです。
大阪店に通っていた東京近郊の客がつめているだけのようで、
新規に開拓した客ではないのが今後の問題点でしょうか。
鉄板焼の「かいか」はほとんど客がいません。
豚カツの「かつぜん」も
19時近くというのに客が一人も居ないことがありました。
「よねむら」しかり。
窓越しに移るカウンターは空席だらけです。
夜のコースが1万4千円ですから当たり前ですけど。
「逸喜優」は当初は順調かと思ったのですが、
夜に5000円の「お決まり」という
手書きの張り紙を入り口に張っていたのを見たことがあります。
張り紙がない夜もあるようですが、
狭い店内なのに客がいそうもありません。
京料理の「やた」の店内も寂しい限り。
勿論価格設定を大幅に変更、
福臨門並みの高額中華に変身した「趙楊」も、
新橋店の連日満席の状態とは程遠いものです。
5階フロアはさらに悲惨。
400平米の「離宮」は
ウォーターカーテンのようなものまで造った渾身の大箱ですが、
外から見えるホールはテーブルと椅子だけで、
肝心の客の姿がほとんど見当たりません。
譚さんもつめているようですが、
入り口付近でスタッフと談笑していて
暇なのが一目瞭然となっておりました。
「今半」もしかり、
天麩羅の「一宝」も入り口付近でスタッフがじれていましたから
苦しいのでしょう。
唯一「オストラル」はホールが奥で確認がしにくいのですが、
客の姿を確認できました。
ある程度は入っているのでしょうか。
オープンして1ヶ月も経っていないのにこの状況。
原因は前にも述べた
身の丈を上回る「高い値付け」が一番なのですが、
三井不動産が関与した
テナント選別にも問題があったのではないでしょうか。
それは飲食店の選別ではなく
1階から3階までの「バーニーズ」の選別です。
六本木ヒルズや丸ビルは、一時期観光客で賑わい、
その客が飲食店に流れていきました。
しかし、ビル自体に何の目玉のない交詢ビル。
「バーニーズ」に押しかける客を期待したはずですが、
銀座の買い物客が
果たして「バーニーズ」のテイストを必要とするのでしょうか。
付近には、「エルメス」をはじめ「シャネル」など
錚々たるブランド店が点在しています。
この手の店が好きな客が多い銀座ですが、
「バーニーズ」が受け入れられるとは到底思えません。
「バーニーズ」の客が飲食店に流れるのではなく、
「飲食店」の客が
「バーニーズ」に流れているのではないかと言う皮肉も聞きます。
三井不動産の思惑通りの展開とはなっていないと考えます。