第434回 友里征耶のタブーに挑戦 その17一品だけしかおいしくなくていいのか
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- 2004年10月4日(月)
その他の前菜や魚、パスタやデザートは居酒屋並みのレベルなのに、
グランメゾン級の最高額を要求する店があったらどう思いますか。
最高額を要求する店は、雰囲気、各料理、サービスなど
トータルでバランスを保ちながら、
更にいくつか傑出したものをもサービスしなければ許されず、
客も来ないと思うのですが、プロ野球界は違うようです。
野球音痴な妻は、
一連の「合併、一リーグ騒動」をニュースで見て、
「もう今後野球なんてする子供はいなくなる」と言っています。
TVでも何人かのコメンテーターたちが、
子供がサッカーなどにとられてやる人がいなくなりピンチだ、
と発言しています。
しかし、友里流で言わせていただくと、
プロ野球はある意味「門戸の広い」プロスポーツだと思うので、
心配無用かと。
1品だけしか優れているものがない高額請求店は存在できませんが、
プロ野球では、走・攻・守と揃わずとも
一つだけがやや優れていれば、
最高に近い年俸をもらえるありがたい業界です。
4打席に1回のヒット、5試合に1本ホームランを打てば、
走力がなく、守備力も並み以下、しょっちゅう怪我をしていても、
球界の番長はかなりの年棒を貰っています。
格闘技系、接触系のスポーツを除いて、いわゆる
スポーツマンとは程遠い体形の選手が闊歩しているスポーツは、
プロ野球とプロゴルフくらいではないでしょうか。
どうみても二重顎、三重顎の伊良部選手が、
体脂肪率が人並みとは思えません。
体に廻らず、顎にだけ脂肪が付けられるほど、
人間は器用ではないからです。
伊良部選手、昔の江夏選手、
遠井選手に川藤選手などの体型のプロ選手は、
すべての運動能力の集大成である
サッカーやバスケット、テニスなどの競技では
決して見られものではありません。
足が特別速くても昔の岡野選手のように、
一流のサッカー選手にはなれないでしょうが、
人より足が遅いのは致命傷です。
でも、体は硬くとも、太っていて持久力がなくとも、
足が遅くても、肩が弱くても、
手首が柔らかく瞬発力がありさえすれば、バッター専門として
プロ野球の世界で君臨できる可能性があるのです。
江夏選手は、心臓が悪かったようですが、
それでもクローザーとしては活躍しました。
心臓が悪かったら、普通はプロサッカーだけでなく、
ほとんどのプロスポーツで活躍は無理でしょう。
前日に大酒を飲んで酒が抜けなくとも試合でホームランを打った、
と豪語するOBもいました。
酒が抜けない選手が90分ピッチで走りまわれるわけがなく、
また、器械体操などシビアな競技を演ずることも不可能です。
つまり、我々一般人が思い浮かべる
ストイックなプロスポーツ選手と、
日本のプロ野球選手はかなりかけ離れているのではないか。
FWなど90分のうち、89分遊んでいて
1分働いてゴールをあげれば良いといわれた時代もありましたが、
近代サッカーではもう許されなくなってきています。
空振りしただけで
わき腹を痛めるような体つくりをしている野球選手が
ピッチで後ろからタックルされたら、
毎回複雑骨折してしまうでしょう。
つまりイチロー選手のように、
走れて、守れて、パワーはないにしても打てて、怪我にも強い、
と何拍子も揃いながらも毎日自己規制して取り組まなくとも、
ある種1つの、特に打つだけの才能があれば、
そこそこやっていけるのが
プロ野球といってもいいのではないでしょうか。
なにが言いたいかというと、すべてに抜きん出ていない、
しかし、一芸に優れている子供たちも沢山居るわけですから、
野球という競技は今後もそんな子供たちの受け皿となり、
敬遠されるとは思えないということです。
足が遅くてサッカーに向かない、太めだけどパワーだけはある、
動体視力は凄い、だけど格闘技系は避けたい、
という子供たちには、三拍子揃わなくても高給がもらえる
プロ野球にまだまだ魅力を感じているはずです。
私のコラムのテーマとはかけ離れたものになりましたが、
明日もう一日、関連テーマでお付き合いください。
切り口は「友里流」を貫くつもりです。