第435回 友里征耶のタブーに挑戦 その18プロ野球球団の所有資格に疑問

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2004年10月5日(火)
ストライキ問題も一応解決し、
来年の仙台球場を本拠にするチームの経営会社がどこになるかが
焦点になっています。
出来レースで楽天に既に決まっているとしか思えない雰囲気に、
がっかりしているファンも多いのではないでしょうか。
時代の寵児、21世紀の新しい成功者
といったイメージがあったのですが、
TVに頻繁にでてくる楽天の三木谷社長の顔は、
段々プロ野球機構側の
お偉方の顔相に似てきたと感じるのは友里だけでしょうか。
経営諮問委員会を社内で設立、財界人の多くに参加を呼びかける、
なんて愚案もいいところだと思います。
歳とった財界人をあつめたら、現在、経営的に行き詰っている
プロ野球機構を経営しているお年寄りと同じような
旧態然とした発想しかでないではありませんか。
新しい風なんか吹き込めるはずがありません。

根来さんを持ち出すまでもなく、
可もなく不可もなく扱いやすいサラリーマンとして
役所、会社や上司に逆らわず順風満帆に出世した方達は、
保身と体面を第一にしか考えられないからです。
斬新なアイデアを歯に衣着せず若い頃から主張していたら、
会社側から疎ましく思われ出世できません。
「権限がない」から何も出来ない、という発言は、
我々一般人には理解できないものです。
強権を与えられていなくても、
色々な根回しやアイデア、説得などの努力によって
解決をはかるのが一般人です。
お膳立てがされていないと何もできない人ということがわかります。

今回、選手会がファンの支持を得て強く交渉できたのは、
ライブドアが早い時期に名乗りを上げてきたことにも
助けられた面があると思います。
たとえ売名行為であったとしても、ライブドアがいなければ、
同じような結果になったかどうか。

別に肩をもつつもりではありませんが、
ライブドアの体制側からの嫌われ方は
あまりに不公平ではないかと考えます。
球団所有資格として、
暴力団との関連がないことや係争問題をかかえていないこと、
しっかりした経営基盤、なんてものを振りかざして、
オミットしたいようですが、
自分たちのことを棚に上げているその態度、
そしてそれを取り上げないマスコミに疑問です。

西武はつい最近、
総会屋への便利供与で不祥事をおこした張本人です。
元経営者は刑事罰をうけるでしょう。ふさわしいとは思えません。
また、このグループは昔から法人税を払っていない
(合法的でしょうが)と指摘され続け、
社会に貢献する企業として尊敬されていません。
読売しかり。
ドームの入場券で、暴力団関係者との問題がありました。

近鉄もあのスペイン村を造ってしまった愚行の責任を
誰がとったのでしょうか。
私はオープン当初に行った事がありますが、
絶対客が来ないと瞬間に判断しました。
また、大きな会社では、
係争の一つや二つ抱えているのは珍しいことではありません。

だいたい所有資格といっても、
昔、クラウンライターズや日拓ホームズなる会社が参入し、
あっというまに撤退しましたが、
許可した側が責任をとったという話は聞いておりません。
今更何を言うのか、という気持ちです。

財界に取り込まれてしまった楽天社長より、
何をするかわからないライブドアの方が
プロ野球界に刺激を与えると思います。
たとえ滅茶苦茶になったとしても、
プロ野球界を一度ガラガラポンしてから、一から造りなおせれば、
今までの矛盾点、例えば利益がないのに選手に高給を払う、
実力の世界といいながら年功序列の要素が多い年俸、
あまりに打つだけの4番バッター優遇しすぎ、
監督やコーチの仲良しグループの存在、など
実力とは実際まったく違う方向へ行っている制度や考え方を含めて
根本的に見直して再生が出来るのではないかと考えます。

ついでにもう一つ。
「名選手必ずしも名監督にならず」と言われていますが、
それでもプロ野球界は好成績だった選手を監督に迎えています。
しかし、他の分野で考えてみてください。
軍隊の要、戦略を練る参謀部門はエリートです。
彼らは、現役時代、前線で戦闘機を乗り回し、
重火器をかついで走り回って
成果をあげることを期待されて入隊したわけではありません。
名プレーヤーであったことはマイナスではありませんが、
それ以上に必要なことが
戦略を練る指揮官、参謀には要求されるということです。
アメリカンフットボールやプロバスケットの
ヘッドコーチを見てみましょう。
選手たちに囲まれた小柄な人が多いことに気がつくはずです。
プレーはしていたかもしれませんが、
必ずしもうまいプレーヤーではなかった可能性があります。

育成や選手の能力の目利きは専門のコーチにまかせて、
本来の指揮官が必要とされる、
相手データの分析、明解な戦略、人事(選手起用)、人心掌握、
状況の変化の都度下す速やかな判断、
などはプロ野球OBより
その面で秀でた民間人がいるのではないかと考えます。
既得権者の方にはこれは暴論ともいわれそうですが。

負け試合の感がありますが、
ライブドアが球団を持てるようになったら、
それこそ若い経営者を監督に招聘するとか、
毎日抽選したファンに監督をやらせる、といった
タブーに挑戦したらどうでしょうか。
以前、ファンのリクエストで打順を組んだ監督が
かなり批判されましたが、
選手の好き嫌いで選んでいる監督も多いですから
どちらのほうが批判されるべきか。
プロ野球の監督は、男子の夢だそうですから、
球場へ駆けつけるファンは増えるでしょう。
既得権者、旧守派は大反対するでしょうが、
試合の結果はそんなに違わないと考えます。
長島ジャパンのアテネでの戦いぶりをみていたら、
誰でも考えられる布陣に、単純でまったく動かない指揮官、
誰がやっても同じです。
私の考えに確信が持てるようになりました。