第43回 初訪問、厲家菜(レイカサイ・六本木ヒルズ)

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  • 2003年6月30日(月)
<事前情報>
1.シェフは中国家庭料理大会のもとチャンプで女性。
2.森ビルが「ロブション」とともに
  もっとも招聘に力を入れた店らしい。
3.勿論、呼び屋というかプロデュースした会社があるようで、
  自前の資金での出店ではないらしい。
4.本店(北京)は一日一組のみ。ビル・ゲイツも常連。
5.2万5千円、3万5千円、4万5千円の3コース。
  多皿コースで前菜に相当する15皿は3コースとも同じ、
  あとはメイン5~6皿によって最高2万円の違いが出る。
6.六本木店は一日3組、一組は6名以上8名以内と
  かなり条件が厳しい。
7.最近は「西太后」のお抱え料理人の直系だとの話もでてきた。
  以前は遠縁だと聞いた記憶がある。

<感想、他>
立地条件
けやき坂通りの2階。
高額店「次郎」、「パ マル」などが並ぶ一角にある。
派手な金色の外観の「みかわ」の隣、
重厚感のある外壁の上に小さく「厲家菜」の文字。
なんの店だかわかりにくい。

外観・内装
ドアをあけると大きめなホワイエを中心に、
まわりに3つの個室があるようです。すぐに個室に通される為、
他の客と顔を合わせることがないので、
他の客の入り具合がわかりません。
個室は円卓があるだけで結構狭い。
しかも、8名だと座るのも窮屈な感じ。
高い店の割に個室のスペースなどが小さい。
支配人はもと「シェ 松尾」にいたとか。
経歴が中華店でなくても通用するところが不思議です。

料理
驚きの小皿料理。最初に小皿で9皿いっきに出てきたのですが、
各皿が一人分かと思われるくらい少量です。
辛子白菜は小さく切った一巻きというのでしょうか。
各自が直箸で取り分けるのですが、8等分できません。
その他の料理も、焼豚が透き通るくらい薄いものが人数分とか、
とにかく驚きの少量。
まさに少量多皿攻撃で、
味わう、食感を楽しむといった量を与えられませんから、
おいしいのかそうでないのかさっぱりわかりません。
メインの料理も鮑はさすが人数分あり満足できるものでしたが、
肉付きの北京ダックなど同伴者も顔を捻るものが多かった。
値の張る食材は鮑くらいです。
他のメインの伊勢海老も1匹でシェアです。
人数分にきっちり切ってある薄切り焼き豚を除いて、
どうやら前菜もメインも6人でも8人でも量は変わらないようだ。
味付けはよく言えば繊細。胃には優しい料理でしたが、
ビル・ゲイツが自家用ジェットで駆けつける料理なのか。
お金持ちの考えは理解できません。

ワイン、酒
この手の店の常識ですが、やはり高い値付け。
頼まない方が無難です。
ノンヴィンテージのシャンパーニュは11,700円。
百円単位で細かいです。
仕入れの3倍以上の値付けでかなり高いです。
紹興酒は10年物で1万円。これを飲み続けるしかありません。
ただし、最初はボトルで出てきたのですが、
後半、ほろ酔い時に気がついたら、
追加の紹興酒はデカンタのようなもので出てきていました。
量がきっちり1本分ずつ追加されていない疑惑が残りました。

サービス
別に取り分けてくれるわけでもなく、
ただ小皿を持ってきてくれるだけ。
中華にサービスの達人はいらないようです。
入り口に黒服が立っていて、予約客を案内するのは
純粋な「中華」のイメージではありません。
出資会社のスタイルなのでしょうか。

結論
1.3万5千円のコースで結果@5万円を超えた。
  非常に高い料理だが、多皿で
  印象に残るものがなかったのが残念。
2.3時間半はかかる食事で、ゆっくり時間を過ごせるのは
  有難いが、はっきり言ってCPはかなり悪い。
3.山本益博氏は宣伝に力を入れていますけど、
  あまり真に受けて期待を持たないように。
  話の種に、一生に一回、行くだけで充分でしょう。