第428回 本店は満足、サン パウ 2

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  • 2004年9月28日(火)
コースの構成は支店と同じです。当たり前ですか。
ミクロメニューと称する4品の一口アミューズ。
そして3皿ほど更に前菜が続き、魚、肉となります。

料理の見た目は本店、支店と同じようなのですが、
その味わい印象がかなり違います。
電車の往来も見られる外の景色が美しさ、雰囲気、
そして低価格といった後押しもあるのでしょうが、
ほとんどの皿が満足できるおいしさでした。
スペイン南部の地元料理を食べ続けていたので、
その反動もあるようですが、
支店とは調理レベルがかなり違うようです。
ポーションも本店は充分、
得意とする「豚料理」がなかったのが残念でしたが、
支店ではただ、
「甘さと辛さ」を一皿のなかに対照的にあらわしただけで
反響しているように感じたのですが、
本店はうまく調和しておりました。
「ハケ」の火の通し、「仔羊」、「仔牛の頬肉」も
満足のものでした。

予算は昼でしたがいつもの通りの酒量で、一人約120~130ユーロ。
料理価格だけでなく、総額では支店の半値以下となった次第です。

グラナダの社長は、「サン パウ」の店そのものにほれ込んで、
女性シェフを1ヶ月口説いて日本進出を決断させたと言っています。
しかし、
まず、「旧東急百貨店跡地」の再開発ビルへ出店という発想、
かなりの大箱、そして日本風接待用として
必要以上の豪華主義の店構え、としてしまっては、
固定費がかかりすぎて、
本店のコンセプトを再現する事は無理でしょう。
スペインから船で運んできただけで、
あれほどワインが高くなってしまうものなのか、
使用食材やポーションを考えると納得できない料理価格、
問題点は山積です。
店構えの雰囲気に飲まれてしまう一部の客層以外は、
CPが悪く感じるのは当たり前ですね。

店名や料理形式は似ていても、
支店とはまったく食後感が違う本店であることが確認できました。