第4回 高価格店 ロオジェ (銀座)

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  • 2003年5月22日(木)
ビルにありながら、1階の専用入り口を設けているせいか
一軒屋的に感じる店構え、
勢いを失った老舗フレンチのお約束である
「アール ヌーボー」調ではない、
趣味良くまとまった豪華な内装、
ホールスタッフを含めサービス陣の充実などに加えて、
今現在、東京で一番おいしい料理を出す
フレンチレストランだと思います。
そのかわり、チェックの際にはそれなりの覚悟が必要です。
前菜、メイン、フロマージュ(チーズ)、デセール、
テにサービス料を考えたら、料理だけで2万円近くいくでしょう。
頼むワインにもよりますが、
予算は2人で5~6万円は覚悟しなければなりません。
人それぞれに価値観が違います。
ただ、外食、特にフレンチがお好きな人たちには、
3時間あまりの夕食にこれだけの大枚を支払うだけの価値は、
他の店と比較しても充分あると私は思います。

「東京いい店、うまい店」という
古くから人気の料理評価本があります。
味やサービス、コストを星数(最高が5つ)で評価していますが、
この「ロオジェ」は味のところが4つ星です。
この本で最高の5つ星がつけられている店が
他に5店あるのですが、これは何かの間違いでしょう。
各店を経験された人ならばすぐその事に気がつくでしょうし、
第一、最高評価された5店のシェフたちの何人が
自分は「ロオジェ」より上の料理を造っていると
思っているでしょうか。
「タイユバン ロブション」以外、変に持ち上げられて、
かえって気恥ずかしい思いをしているのではないかと
推測されます。

同じような価格帯のフレンチは他にもあります。
内装がより豪華な店も。
しかし、CPは、内装の豪華さだけではよくはなりません。
他に、料理、サービス、価格の
総合バランスの上で評価されるものです。
限られた記念日にグランメゾンのフレンチに行く場合、
一番支払う価格に見合ったトータル的な満足感を得られるのは
この店だと私は思うのです。

この店のシェフは、土曜日は厨房に立っていません。
平日は場所柄、同伴出勤のカップルもいますが、
土曜日は家族連れ、そして普通のカップルが多いですから、
シェフの不在は残念なのですが、料理に違いは感じないでしょう。
長期休暇の前日は、シェフ夫妻がホールで一般客に混じって
食事をしているところに遭遇しますよ。

当たりはずれが少ない、安定した料理と
過不足ないサービスのこの店の予約が
近日中に直ぐ入れられないのは残念です。
家族連れが主体の土曜日はキャンセルが出にくいですが、
平日は同伴客がいますので、
結構キャンセルが出るとも聞いています。