第39回 ただのカウンター居酒屋か、「とらたつま」(四谷荒木町)
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- 2003年6月26日(木)
店名が変わっていて、普通のレベルの居酒屋料理を出し、
「東京最高のレストラン」関係の業界人の溜まり場、
といった「立地の悪い、しかし過剰評価されている街場の店」の
条件を満たしています。
この本では、東京のベスト10にランクインする
和食の店のような印象を与える記述が随所にみられるのですが、
果たして真に受けて訪れた一般客が納得するでしょうか。
9000円のお任せコースがお勧めのようですが、
価格の割に味はもとより量も満足できるものではありません。
食材も最後の締めに鮭茶漬けが出るくらいですから、
コース値段の割にお得感を与えてくれません。
お椀の出汁で勝負するものはなく、造り、揚げ物、焼き物などに
高級感をまったくもたない食材の料理が淡々と続いて出ます。
どこにも、「東京最高のレストラン」で
特筆されるべきものが見当たらないのです。
恐らく、この店の主人も
下手に持ち上げられて戸惑っているのではないでしょうか。
執筆陣には居心地の良く感じる店なのでしょう。
21時を過ぎればコースではなく
アラカルトでつまめる営業とのことで、近場の人、
特に業界人には便利な店なのかもしれません。
でも、一般客がわざわざ出かけていくほどの店ではない、
本当に街場の店と言えます。
主人は目立たず、質問には真摯に答えてくれましたし
嫌味を感じさせない人でした。
それだけに実力以上にはやし立てるのは、
長い目で見て店、主人の為にも
やってはいけないことだと思うのです。
明日は、同じ人気店でも私が思うところの
「CPの良い店」を一つ上げてみたいと思います。