第384回 鮨屋とは思わないほうが無難、鮨 なかむら 1

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  • 2004年8月2日(月)
最近30代の主人の鮨屋が流行っているようですが、
この店もそのひとつ。
明治屋近く六本木通りを一本入った路地の1階で、
2つのキャッチで売り出しています。
マスコミに頻繁に登場する30代の鮨屋主人の特徴は、
修行歴の短さですが、
なんとこの「なかむら」の主人は鮨屋での修行歴がゼロ。
和食屋での修行はあるものの、
独学で屋台から始めて店を持ったというのが一番のウリです。
そして、もう一つは、
午後7時から明け方まで営業している使い勝手のよさ。
この営業時間の長さは特筆すべきものです。

店内は10席のみの白木のカウンターだけですが、
つけ場やカウンター背後のスペースには余裕があります。
主人の他、坊主頭の男性スタッフはどこでも見かける光景ですが、
驚いたことにこの店ではもう一人、
女性スタッフが重要な役割を果たしておりました。
なんとこの女性が堂々とつけ場に立ち、
色々な仕事をしているのです。
私は今まで高額鮨屋で
女性がつけ場へ立ち入った所を見たことはありません。
立つだけではなく、昆布しめの白身にラップをかける、山葵をする、
コハダも漬け込みから取り出してペーパーへ包む、
茹でた海老を剥く、ついにはシャリまでいじりだす、など
重要な仕込みを一手に引き受けいる光景に、
私は強烈な違和感を覚えました。
午後7時のオープン後に客前で仕込をするのも問題ですが、
重要な仕事を
職人には見えない女性に任せている主人の考えは如何なものか。
かなり若い方なので、女将なのかもしれませんが、
これってありなのでしょうか。

主人が鮨屋で修業歴がないかわりに、
その女性が鮨屋で修業していたのか、と
笑えないジョークを飛ばしたくなります。
犬養裕美子氏、大谷浩巳氏など錚々たるジャーナリスト?が
この店を宣伝していますが、
この光景を見て何も感じないものなのか、
ジャーナリストではなく店のスポークスマンですから
期待するほうが無理なのか。
他の雑誌では、キノシタの木下氏なども
料理人仲間と訪れている写真が載っていましたが、
フレンチのシェフは
普通の鮨屋ではありえないこの光景を何と見たのか、
コメントを聞きたい思いです。

<明日に続く>