第382回 友里征耶のタブーに挑戦 その7市販されている蒲焼の正体は?

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  • 2004年7月31日(土)
先日ある新聞に、フランスのウナギの稚魚が激減しているという
記事が載っていました。
主な生産地は「ラロシェル」というところだそうで、
水揚げされた生きの良いものは中国へ、
死んだり弱ったものはスペインへ出荷されるそうです。
おいおい、スペインで食べる名物料理は
死にかけた食材なのかとびっくりする反面、
中国への出荷が増大して乱獲が進んで激減したようですが、
中国へ出荷された稚魚は
養殖されて成魚になり、中国で蒲焼に調理されて
ほとんどが日本へ出荷されていることを知り、驚きました。

いつの間にか、ウナギの養殖までもが
中国へ拠点が移ってしまったようです。
ところで蒲焼として輸入されたものは
どこへいっているのでしょうか。
おそらくスーパーやデパ地下などで売っている
真空パックもののほか、焼きたてと称して、
ショーケースで大量に売られている蒲焼もそうなのでしょう。
街場の鰻屋で捌いているところが見られない店も疑惑が残ります。

しかし、私はひっかかるのです。
東南アジアと欧州のウナギでは、種が違うのではないか。
確かアングリラ・ジャポニカとアングリラ・アングリラは
同じ鰻でも形状や味がまったく違うものと聞いた事があります。
調理法は違いましたが、ボルドーの郊外で食べた
「ウナギの赤ワイン煮」はぶつ切りでしたが、
うまいとは思えませんでしたし。

つまり、大半の日本人が現在口にしているウナギは、
いつのまにか東南アジア系の本来のウナギではなく、
欧州系のウナギになっているということです。
日本の蒲焼文化も終わりだ、というのはオーバーでしょうか。