第375回 洋食、フレンチどっちがメイン?レストラン 七條 2
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- 2004年7月24日(土)
シェフが土曜の休みに「北島亭」へ修業にでていたエピソードを
これ見よがしに吹聴しています。
強調しすぎです。
一般読者は、この店で、この価格で、
「北島亭」の料理が食べられる錯覚に陥りがちですが、
それを要求するのは無理というものです。
仔羊は、香りは充分味はまずまず。
豚の火加減も良かったですが、
それはまともなフレンチと考えれば当たり前のこと。
ソレンスタムや天才少女のミシェル・ウイーが
男子ツアーに出場して善戦しているようなもので、
彼女らが男性だったら大騒ぎする人はいないはずです。
酒類はこの手の店ではすごく豊富です。
ベルギービールは800円以上と高いですが6種、
ワインもボルドー、ブルゴーニュと赤白かなり用意しています。
下手なフレンチより凄い。しかも安い値付け。
3千円から12000円くらいで5千円前後が主体ですが、
小売と比較すると1.5倍もとっておりません。まさに薄利多売。
客側にとって、これは大変ありがたいことです。
パーカーというワイン評論家が高得点をつけているボルドーも、
リリース価格とあまり変わらない価格でありました。
抜栓だけで、グラスへは自分で注ぐのですが
この価格、文句は言えません。
ワインの選択もなかなかよい。
ネゴシアンながら大所の村名ワインや、
ボルドー右岸で格付けではないが高評価のものなど
見得にとらわれない選択は感心します。
安くておいしそうなワインが色々あるのですが、
つい掛け率の安さに惹かれて
やや高めの高評価ワインを頼んで一人12000円。
食後酒が入った価格ですが、
これは洋食屋のレベルとは言えないでしょう。
<結論>
この雰囲気、20人あまりの団体も入る客層などを考えると、
料理の値付けは高い。
もっと安い、もしくは同じ価格で
雰囲気が良く本格的なフレンチを出す店は他にもあるが、
ワインの値付けは良心的。フレンチの入門店として使えます。
「エビフライ」と「北島亭で修業したフレンチ」という
土俵の違う料理が前面に出てしまって一見矛盾した店だが、
エビフライなど洋食を全廃してフレンチ専門にしたら
話題性がなくなり埋没してしまう。
かといってフレンチを全廃することは出来ないはず。
売上げが激減してしまう。
この形態では、これ以上の進歩、発展は難しいと考えます。
近所にあればたまには行ってみたい店ともいえます。