第373回 ここまで払えるか、味満ん 2

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  • 2004年7月22日(木)
煮こごりは薄い色で弾力があり繊細な味。
どうやら「福治」と同じようなタイプでしたから、
「こんなにおいしいフグを食べたことがあるか」とすり込んでいる
「小やなぎ」の煮こごりだけが亜流のようです。

刺身はやはり厚めに切られたものです。
高品質のふぐ刺しはその厚さで判断できるようです。
しかし私には「味満ん」と「福治」との違いが
はっきりとわかりません。
どちらもうまい。食べこむほど味わいを感じてきます。

白子はどうなっているのでしょうか、
皆同じ大きさに切られており、
個数を指定するようになっています。
これも塩焼きですがある程度弾力というか硬さがありうまいもの。

焼きフグや揚げフグは部位に拘っているようです。
「ウスバラ」、「アゴ」、「ほそ皮」など初めて聞きましたが
どれも1匹に限られた個数しかないようです。
やはり、「小やなぎ」のように
小さなフグを丸ごと揚げてくるのは邪道だということでしょう。

ちりだけは量が少な目に感じましたが
店側がすべてやってくれるので客は楽なもの。
雑炊もご飯の量を指示して
最後の腹具合を調節できるようになっておりました。

煮こごりに始まり、刺身、白子、焼き、揚げ、雑炊と
店内の雰囲気は別にしてすべて満足するものでしたが、
気になる御代はかなりひれ酒を飲んで、
ついでに鯖の味噌煮をいれて一人5万円弱。
「福治」より約1万円アップでとどまりましたが、
一食でこの値段、
世間的にはかなりはずれていますが「小やなぎ」の2.5回分。
もう行ける機会があるかはわかりませんが、
CP云々を度外視して、
一度「ふぐ」とは何かを体験するには良い店かも知れません。

つけ場は主人とその息子さんと思われる兄弟二人に追廻。
サービスはマダムに若マダムと思われる
まったくの家族経営スタイル。
10名入ったと仮定して一日の売り上げが50万円。
季節ものという限定ではありますが、
家族経営で固定費が節約できますから、
売上げを考えるとかなりの優良な企業といえると考えます。

<結論>
巷間言われているほど桁外れの価格ではなかった。
先入観の影響もあるかもしれないが、
フグすべてがうまかったが、この価格なら当たり前か。
年に一度天然フグを食べるなら、
他を犠牲にして行っても良いかもしれない。
鯖の味噌煮はわざわざこの店で頼むものではないと考えます。