第368回 友里征耶のタブーに挑戦 その6回転すしのネタは何だ?

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  • 2004年7月17日(土)
最近の鮨業界は二極化しているのではないでしょうか。
老舗に加えて、若い職人がどんどんオープンしてくる
客単価1万5千円以上の高額店と、いわゆる回転系の廉価店です。
出前を主体とした街場の鮨屋は結構押されてしまって
苦戦しているようですが、
この回転系も安いとの印象を受けますが、
結果はそこそこの価格になってしまうのが不思議です。
高額店では押さえられてしまう食欲が
一気に突出してしまうのが原因かもしれません。

気難しいオヤジの高額店と違って、
家族、仲間内、と気楽にワイワイ過ごせるからか
見逃してしまいがちですが、
じっくり見てみますと鮨ネタの違いに驚くはずです。

一番はっきりしているのは鮪でしょうか。
赤身といえども深い赤色をしておらず、
どちらかというと黄色っぽいというか白い。
中トロも色はそうは変わらずねっとりしていて
余分な脂を感じてしまいます。
大トロも本マグロと称しておりましたが、
その過剰な脂分をあじわうと、
高額鮨屋の本鮪と同じものとはどうしても思えません。
冷凍ものと言うだけでは説明がつかないものによく遭遇するのです。

バフン、ムラサキどちらもこんなに茶色いものだったかと
ビックリする「ウニ」、
こんなに大粒だったか「イクラ」、
そして「穴子」も身が詰まりすぎていて違和感を覚えます。

価格が価格ですから、質や鮮度が違うのは承知しているのですが、
私が疑問に思うのは質や鮮度ではなく、その「種」です。

廉価な店の鮪がキハダマグロなど
本マグロとは違うのは広く知られていますが、
他のネタもいわゆる昔からの鮨ネタとは違った「種」ではないかと
勘ぐってしまうのは私だけでしょうか。
嬉々として廻る皿をとって頬張る家族を見て、
複雑な思いに陥るこの頃です。