第354回 読者の方から友里への提案・質問への回答 その5こんないい加減なソムリエがいるとは

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  • 2004年7月3日(土)
私は、最近の店にいるソムリエは、
経験、技量のレベルがかなり低い場合が多いと主張してきました。
ところがそのような能力ではなく、
性格が悪いソムリエが存在しているとは、
読者の方からいただいたコメントを読み、
私は空いた口がふさがりませんでした。

自身がソムリエを職業とされていた女性の方ですが、
ご主人の転勤で都内へ引越。
近所のトラットリアで96年のワインをオーダーしたら
2001年のワインがテーブルに来たので当然クレームを付けたら、
次のように言い逃れしたそうです。

「このワインは特別に管理された貴重なワインです。
96年に収穫したぶどうを2001年に瓶詰めしたので
メニューに96年と書いてあるのも、ボトルが2001になっているのも
間違っておりません。」

今時このようなインチキ説明で納得する客がいると思っている、
このソムリエは、本当に性質が悪いと考えます。
フランスでは、
ラベルにヴィンテージを書かなくても
原産地呼称法には触れませんが、
嘘のヴィンテージを書くことは許されていないはずです。

瓶詰めや出荷した年がヴィンテージではなく、
ブドウの収穫年が表記すべきヴィンテージなのは、
ワインの初心者でも知っていることですが、
この暴論を押し通すところに、
この店の経営者を含めたスタッフの
客を馬鹿にした姿勢が読み取れます。

もう二度と再訪しないと言われていましたが、当然でしょう。
このような対応の店へはその場でクレームをつけても、
今更引っ込みがつかないでしょうから、
互いに不愉快になるだけかもしれません。

信義を大事にする風潮が、
料理店にはなくなってきているのでしょうか。
マスコミがやる、
必要以上のシェフのスター化もその一因と考えます。