第353回 花椒は特級品なのだが、趙楊 その2

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  • 2004年7月2日(金)
その日を境に、私友里の麻婆豆腐追及の旅は始まりました。
東京近辺で本場四川に近いといわれる店へ徹底取材。
本家と言われる
「陳麻婆豆腐店」の日本での提携店である、お台場店と赤坂店、
中華の鉄人・陳健一氏の四川飯店(赤坂、六本木)と
渋谷の「スーツァイ レストラン 陳」の3店、
中華街での四川専門店・景徳鎮、
そして五反田の鎮麻家、その他、赤塚、町田から
果ては大阪の玉造まで雑誌の評判を参考に食べ歩いたのです。
すべての店での要求は「最高に辛く(花椒を利かして)して」。
適うところは花椒をミル毎もらい、
自分でバンバン振り掛けました。

しかし今現在、
この「趙楊」ほどの痺れ感を味わう店に出会えません。
陳麻婆豆腐店では本場と同じ辛さで
しかも追加で花椒をかなり振りかけたのですが。

勿論、「趙楊」へも何回も再訪しました。
慣れはでてきましたがこのむせ返る刺激は相変わらず。
他の料理が凡庸なこと、
いつのまにか最安値のコースが5500円(消費税除いて)と
500円値上がるなど危険な方向へ進んでしまったのは、
秋にオープンする交詢社ビルへの移転が決まり、
CPを落とす予行練習なのでしょうか。

私はついに、
中華街の食材屋で「特選花椒」を粒のまま購入しました、
新鮮なその粒をそのまま口で噛み砕いた時、
「趙楊」で始めて経験した痺れと同じものを感じたのです。

<結論>
他の料理は凡庸ながら、
陳麻婆豆腐に使う花椒だけは他店に負けない新鮮、高質なもの。
花椒の使いすぎで、味をごまかしているとも勘ぐれます。
その割に生ビールは鮮度がかなり落ちたものに何回も遭遇。
話のタネとして、
夜にアラカルトで頼める陳麻婆豆腐単品で充分と考えます。