第350回 大阪の和食の限界か、本湖月 その1

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  • 2004年6月29日(火)
私はこの店の存在を、
「アンチ友里」を全面に押し出してきた
コラム読者の方のメールから知りました。

前著で取り上げた中で比較的褒めていた「吉兆」は、
化学調味料を大量に使用しているので著者の舌は3流だと、
故湯木貞一氏が
味の素好きだったという根拠もない風評を持ち出して、
書評などにも書き込みをしてきました。
そして日本一の和食が吉兆出身を隠し通している
この法善寺の「本湖月」とのこと。
確かにアタックが強い出汁は吉兆の特徴ですが、
それは営業柄、有名店として
あらゆる範囲の客、誰にでもわかりやすい味わいを狙っているのが
理由と考えます。
アンチ友里の彼は
その強さを化学調味料使用と勘違いされたようです。

私は単にファンの方だけの推薦店は、
訪問させていただいてもコラムなどでは取り上げないのですが、
色々調べてみますとこの店はかなりの評判の店のようでした。
フードジャーナリストの森脇慶子氏は
大阪では出色の和食屋と評していましたし、
ネットのレビューでは「高台寺和久傳」に次いで第二位。
勿論そのアンチ友里氏も絶賛されていました。
充分友里が取り上げることの出来る条件、
つまり世間に名が知れて、
料理評論家やフード・レストランジャーナリストが
褒め上げている店でしたので、
機会をみつけて知人と突入したのです。

1階は8席のカウンターで2階は座敷。
つけ場には常時焼き方と配膳の若手が二人いますが、
主人は奥の厨房にこもっています。
造りと焼き物以外は目の前で調理も盛り付けもしていない
カウンター割烹でした。

(明日へ続く)