第349回 フードライター特集番組 その4いよいよ真打登場!ベテランライターの影響力

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  • 2004年6月28日(月)
1時間のTV番組からコラムのネタを引っ張るのも今日が最後です。
そして最後に登場していただくのは、
TVでもベテランライターと紹介されていた犬養裕美子氏。

勉強不足だったのかもしれませんが、
3年前に出版された「東京最高のレストラン」で
私は初めて彼女の名前を知りました。
優に1万回を超えている料理店訪問歴を一つのウリにしてきた、
新進気鋭のライターだと思っていたのですが、
この数年でマガジンハウス系の雑誌でブレイク、
いつのまにか山本益博氏並みの
知名度と影響力をもつようになっているようです。

新規オープンやイヴェントの招待状が毎日届く超売れっ子。
あるパーティでは、彼女の元へはせ参じ、
平身低頭で名刺を配る料理人の姿が映し出されておりました。
私は敢えて言いたい。
食に興味をもつ一般客があの料理人の姿勢を見て、
嫌悪感を抱かないはずはないでしょう。
媚び諂う料理人は、
彼女のお墨付きをもらいたいがためなのでしょうが、
そこには料理人としての矜持がまったくみられません。
どこの店のシェフだかはわかりませんでしたが、
私はこんな店には行きたくありません。

毎日招待状をもらい、
大物気分に浸りたいとの誘惑は魅力的ではありますが、
まだ40歳を超えたばかりの人生半ばの彼女。
舞い上がりや勘違いしている
スター料理人を反面教師にしていただきたいと思うのですが、
もう無理なのでしょうか。

そしてこの番組ではじめて知ったのですが、
あの人気店「キノシタ」は彼女が発掘したということです。
木下氏自身も出演していて、あの風貌に似合わず、
「最初は客が入っていなかったが、紹介してもらって客が増えた」
と感謝の意を表しておりました。

育てた子はいつまで経っても可愛いもの。
色々な雑誌や本でキノシタに高評価を与えていた謎が解けました。
彼女は他にも「アラジン」、「ル マンジュ トゥー」と
東京最高のレストラン」では
他店と違ってサービスや内装にまで
不自然に高得点をつけていますが、
やはりそのシェフたちと
相当親密だということが読み取れてしまいます。