第346回 フードライター特集番組 その3新人ライターからわかること

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  • 2004年6月25日(金)
どの世界でも「駆け出し」は辛いものですが、
この番組に出ていた新人ライターさんを見て、
今後この道で食べていけるのか心配になりました。

フードジャーナリストに憧れて
1年前にそれまでの職を辞して北海道から上京。
新人は取材経費が出ないということで、
(友里にも出ていませんが)
ネタが採用されなければすべて持ち出しのようです。

編集者に採用してもらいたいがため、
珍しいネタを捜し街をさまよう新人ライター。
結局たどり着いたのは、「オープン前のスープカレー屋」でした。
店から料理の説明を聞く姿は、
既に先輩フード・レストランジャーナリストの如く、
店スポークスマンになりきっているかのよう。
つまり、新人、中堅、ベテランと
経験の多少にかかわらず店の説明を聞くだけですから、
たいした能力は要らないようです。

しかし、ある程度の文章力は必要なようです。
500字原稿にオッケーがでるまで34回も書き直したそうですが、
そんなに訂正していたら、
最初の文の形態はなくなっているでしょうね。
編集者もそんなにクレームをつけるなら、
自分で書け、と私はいいたい。

要は、たいした料理でもないのに、
いかにも「おいしい」と伝えようとする無理があるから、
うまく文章がまとまらないのです。
オープン前の店を取材対象にしてしまうこの新人は、
この業界の大御所である
犬養裕美子氏の「ナリサワ」を取り上げたのとまったく同じ手法。
そのふてぶてしさから、
犬養氏のように将来大物になる可能性があるかもしれません。